バイナンスCEO、中央集権型取引所の方が「自己管理よりも安全」

クリプト業界でよく使われる「分散化」という言葉は、今日何を意味するのだろうか?

また、それはいつ、どのような場所で必要なのだろうか。

実際にも、「分散化されたアプリが欲しい!」という一般ユーザーからの需要があるとは考えにくい。

ネットワーク、開発、政治など様々なレベルで「分散化」の概念に関する議論が日々続けられている中、バイナンスCEOが主に取引所に関する分散化(または中央集権化)について、同取引所のブログで説明した

CZ「最終的には市場が決める」

コインデスクの「クリプト業界で最も影響力が強い人物」ランキング第1位に選出されているチャンペン・ツァオ氏が「中央集権化 vs 分散化」に関する独自の見解を明かした


CZ on Centralization Vs. Decentralization

分散化という概念は奨励するものの「中央集権化から分散化には、段階的なレベルがある」と主張する同氏によると、以下の3つの要素を考慮したうえで、徐々に分散化を図るべきだという。

セキュリティ:個人資産が失われるなどのリスクがない

使いやすさ:メルアドやツイッターのように簡単に使える

自由:(海外プロジェクトへ問題ない投資できるなど)ユーザーが好きなように使える

 

セキュリティ:中央集権型の取引所 > 一般ユーザー

特にセキュリティの重要性を強調する同氏によると、仮想通貨の基盤となるネットワークのセキュリティとそれを取り巻くエコシステムのセキュリティは異なるそうだ。

それというのも、例えばビットコインのプロトコール自体は「頑強」であっても、個人で管理できるBTCウォレットのセキュリティには脆弱性があるという。

また、秘密鍵紛失が度々報告される「資産管理」に関する様々な課題について言及し、仮想通貨を「自己管理」するよりも、信頼された中央集権型の取引所を利用する方が「恐らくより安全で簡単」、という見解を説いた。

同氏によると、優良な取引所は一般人が「想像すらできないセキュリティインフラ」に投資しているという。

しかし、取引所を「中央集権化」すると、以下のような代償があると続けた。

「(中央集権型の取引所では)資産管理を第三者に頼らなければならない…ハッキングされる個人は沢山いるが、多くの資金や違反による影響が大きい取引所がいつも見出しを踊る。取引所によるイグジットスキャムのリスクもある。 最後に中央集権化された取引所または資産管理サービスには、資金源の証明を求めるKYCまたはAMLを必要とする。これらの標準的なポリシーは、使いやすさを低下させるだろう。 自分で秘密鍵を保持しているのであれば、これらに対処する必要はない。」

また、最近ではより多くのツールが誕生していることについて言及し、将来的には秘密鍵が自己管理されるように「徐々に移り変わっていく」とした。

使いやすさ&自由:ツイッターのように簡単であるべき

Twitterが仮想通貨に関する詐欺やスキャムを厳しく取り締まる

「セキュリティの向上はよく使いやすさの低下につながる」と主張する同氏によると、仮想通貨の取引に使用される「アドレス」はツイッターやemailのように簡単である必要があるという。

「分散型取引所を利用するには技術的な専門家である必要がある」と誇張し、取引量や流動性を踏まえた上で、市場が中央集権型の取引所を選んでいる、と付け加えた。

また、同氏が重視する要素の一つである「自由」を説明する上で、既存の金融インフラについて言及した。

「海外プロジェクトに投資するために送金をする場合、たくさんの事務処理をしなければならない。例えそれが税金が引かれた後のあなたのお金であったとしても、取引完了までには何日もかかる。 取引を妨げられたり、それを完了することさえ許されないこともある。 これは自由ではない。」

そして、ブロックチェーン技術は「高度な自由」を提供すると述べ、詐欺は存在するものの「比較的速く世界中の誰にでも、どんな金額でも送金できる」と述べた。

バイナンスチェーン、テストネット公開は今月20日

新たな「分散型取引所」をローンチするために独自で展開するブロックチェーン「バイナンスチェーン」のテストネットを今月20日に展開する計画を立てている、バイナンス取引所。

同ブロックチェーンも、バイナンスCEOの分散化に対する見解を反映してものとなっているようだ。

「バイナンスチェーンは、ユーザーが秘密鍵を保持するという意味で分散化されており、取引において資金を第三者のプラットフォームに預ける必要はない。しかし、開発チームがブロックチェーンの成長と戦略的方向性に大きな影響を与えることになる。」

また、先週行われてたAMAセッションでは、新しい取引所へトークンを上場させるためにプロジェクトへ課せられる手数料は「約10万ドル」と同氏は発言している。

自身でも「物議を醸すだろう」とツイートしている今回の同氏の主張だが、業界最前線で活躍する人気取引所CEOの言動に今後も注目が集まる。

原典:CZ on Centralization Vs. Decentralization

ここまでの内容と考察

バイナンスCEOが分散化と中央集権化について独自の見解を明かしたという、今回のニュース。

ちなみにですが、同氏によるとビットコインが「現在一番分散化されているコイン」だそうです。

「ビットコインのコア開発チームは分散化されており、誰もそれを管理していない…BTCネットワークは多数のマイナーによって維持されているが、大規模なマイニングプールが大きな影響を与える可能性はある。 ビットコインの開発は遅れているが、幸いなことにも全ての混乱の中でさえ、誰もビットコインネットワークをシャットダウン出来なかった。非常に確実に、安全に機能する。」

果たして分散化と中央集権化のいいバランンスを持つネットワークは、どのようなものでしょうか。

専門家からブロックチェーン技術の存在価値すら問われている中、同技術の本当の使い道に注目していきましょう!

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