普遍的なアルト価格上昇は見込めない!?専門家が仮想通貨を「6種類」にカテゴリー化


アルトコイン価格が普遍的に上昇する「アルトコインシーズン」が再来するかどうかについて様々な考察が出されている中、次回の強気市場では「銘柄によってリターンが大きく異なる」という見解を示す専門家がいるようだ。


 
 
 
 
ルトコインの将来性について、最近では様々な考察が見られる。

ギャラクシーデジタルのCEOノボグラッツ氏は、BTC市場が回復し始めた今年5月に、次のような発言をしていた。
 

バブルの時に、全てが価値の保存手段として価格が上昇した。それでも、(アルトコインの増加により)供給量が無限に増加…そして、市場は合理的になった。現在の市場で唯一の価値の保存手段はビットコインで、変更される必要がない…他のアルトコインはユースケースを証明しなければならない。

 
このように価格が上昇するためにアルトコインは「ユースケース」を証明しなければならないと敏腕投資家が指摘しているが、これは正しいのだろうか。

例えば主要アルトコインの一つであるBNBは2017年に付けた最高値を大きく更新していたり、またMonaCoinのような時価総額ランキングでトップ50位にすら入らないアルトコインでも、コインチェックへ上場した際に価格が100%以上急騰したことが確認されている。
 

出典:コインコーデックス

 
また直近では、バイナンス取引所へ上場することが発表された後に、DOGE価格がおよそ40%が上昇した。

それでも、仮想通貨トレーダー数が世界で最も多い米国で仮想通貨規制が強化されることから「アルトコイン冬」が訪れるとも言われている。

当業界のインフラが整いつつある昨今、これからアルトコイン投資をどのように考えるべきなのだろうか。

その一つのアイデアとして、米国の投資マネジメントファームのCIOが全般的に表現されがちな「アルトコイン」をカテゴリー化し、それぞれの将来性を考察した。
 
 
ビットコインは「紛れもないリーダー」

 

もう「アルトコインシーズン」を待つのをやめよう – この怠惰な用語は使わないようにする必要がある。仮想通貨市場は2017年またはそれ以前よりもずっと発展している。

 
仮想通貨は「6つのカテゴリー」に分類できると主張するArcaのCIOジェフ・ドーマン氏によると、それぞれのコインが「創造できるまたは獲得できる価値」によって将来的なリターンが異なるという。

「全てが純粋な投機だった」2017年以前のアルトコイン市場に対して、現市場では将来性が見込めるプロジェクトとそうではないものを「区別しやすい」そうだ。

 
A. “紛れもないリーダー”
 
仮想通貨市場のリーダーは「一つしかない」と言い切るドーマン氏によると、当業界だけではなく「主流メディア、経済学、金融、政治」でも話題となるビットコインが「紛れもないリーダー」だという。

仮想通貨市場におけるBTCの重要性を否定することは非常に困難であり、また他のコインよりも「遥かに先を進んでいる」と続けたドーマン氏だが、そんなビットコインでも依然として「失敗する可能性がある」と警告した。
 
 
B. “明確な価値のある”仮想通貨
 
ドーマン氏によると、この類の仮想通貨はモデル化することで簡単に価値を評価でき、「価格に異議を唱えることができるものの、経済的な価値を生みだすこと」を否定できないという。

具体的な例としては、著名取引所のサービスを安価に使用できる&「トークンバーン」を採用しているBNBやLEOなどのアルトコインや、ALGOまたMRKを挙げた。
 
 
C. “重要なプロジェクトだが、トークンの価値が不明”
 
カテゴリーCに分類されるコインは、カテゴリーBのものよりも仮想通貨エコシステムにとって重要なケースが多いものの、トークンが提示する価値が曖昧だという。

このようなプロジェクトの例として、ドーマン氏はETH、ZRX、BAT、REP、LINK、ATOM、またVETを挙げた。

(イーサリアム(ETH)の価値提供に関しては、仮想通貨専門家ジャーミー・ルービンが以前ドーマン氏よりも辛辣なコメントを残している。)
 
 
D. “規模の大きなネットワーク”
 
ドーマン氏によると、EOS、TRX、XRP、NEO、T-Zero、XTZなどのプロトコル/システムは、既に稼働しており、コミュニティも大きく、また膨大な現金の備蓄を持っているため、これらが成功する「反対には賭け難い」という。

当業界でも最も物議を醸しているカテゴリーDだが、「コミュニティの熱意と揺るぎない信念が現実に勝る可能性」があるとドーマン氏は述べた。

それでも、カテゴリーDには「悪い面もある」とドーマン氏は続け、ネットワークが初期段階があるが故に「反論できない」と言い添えた。
 
 
E. “既に稼働していて、機能する製品”
 
ドーマン氏によると、(カテゴリーFと比較した)カテゴリーEの存在が、全てのコイン価格が上昇する「アルトコインシーズン」を単純に待つべきではない理由だという。

「実用的な製品」があるプロジェクトのコインは、そうではないプロジェクトのコインよりも「数倍多く」の価格上昇が見込める、とドーマン氏は述べた。

しかし、カテゴリーEに分類される銘柄で実際に価格が上がらない場合は、そのプロジェクトの製品が「良くない」ことを示唆するという。

これは従来の新興企業の評価と似ており、最初はピュアなセールストークによって評価される企業価値だが、企業が実際に収益を生み出した後は「予測収益/マルチプル」に基づいて評価されるようになる。

ドーマン氏は、このような新興企業の評価をカテゴリーEに含まれるコインの評価に適応できると見ているようだ。

 

これまでに何も価値を提供していない投機的なアルトコインが、正常に機能する製品を提供しているものと同じくらいの利益が得られる理由は、絶対にゼロだ。

 

カテゴリーEに分類されるコインの例として、ドーマン氏はFOAM、MANA、HXRO、FXC、またLINKを挙げた。
 
 
F. “ピュアな投機”
 
この類のアルトコインは、短期的/突発的な価格上昇があったとしても、長期的にはカテゴリーAからEの「ブルーチップ(優良銘柄)」へ投資するよりも大幅に下回る可能性があるという。

ドーマン氏によると、「短期的なギャンブル」とも言えるカテゴリーFのアルトコインに対する考え方としては、2009年の株価回復が参考になるそうだ。
 

AMZN、AAPL、GOOGL、SBUXのような素晴らしい会社の株式を安価で購入できたが、多くの投資家はブルーチップの代わりに困窮しているエクイティを購入した…その多くは回復することなく破産した。

 
 
BTC 対 “ブルーチップ”アルト
 
前述に名前が挙げられたコインがドーマン氏が提示したカテゴリーに正確に分類されているかどうかはわからない。

また、それぞれのカテゴリーに分類できると見られる銘柄が、ドーマン氏が主張するようなリターンを生み出すかも不明だ。

それでも、VanEckのデジタル資産戦略担当が明かした調査結果によると、「ブルーチップ」はその他のアルトコインよりもリターン率が高いことがわかる。

ゲイバー・ガーバック氏によると、時価総額トップ10の仮想通貨が含まれるインデックス「MVDA10」と、ビットコイン(MVBTC)、またその他の時価総額が小さいアルトコイン50銘柄(MVDASC)の過去3年間パフォーマンスを比較したところ、MVDA10が最も成績がよかったという。

MVDA10が2,837パーセント上昇したのに対して、MVBTCとMVDASCはそれぞれ1,928.2%と1,243.8%という結果だったようだ。
 

 
このようなハイリターンを生み出したブルーチップアルトには、以下の銘柄が含まれている
 

・ビットコイン…33.41%
・イーサリアム…26.50%
・XRP…13.87%
・ライトコイン…6.35%
・ビットコイン・キャッシュ…6.11%
・EOS…4.53%
・バイナンス…4.00%
・トロン…1.83%
・カルダノ…1.72%
・ステラ…1.68%

 

しかし、ガーバック氏によると、直近一年ではBTCがブルーチップと時価総額が小さいアルトコインを「圧倒した」という。

それというのも、MVBTCが71.5%上昇したのに対して、MVDA10は6.5%、またMVDASCは64.6%下落した。
 

 
これからアルトコイン投資をどのように考えるべきなのだろうか。

ドーマン氏が指摘するように、最低でも全てのアルトコインをイコールで見ることは最善とは言えないかもしれない。

また、この問題は業界やユースケースが異なるコインを評価するにおいて「時価総額ランキングだけで判断するのはおかしいのではないか」という以前から指摘されていた問題と似ていると言えるだろう。

それでも現時点ではまだサムスン社よりも小さい仮想通貨市場だが、これからアルトコイン市場がどのように動くかに注目だ。
 
 


 
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