シェイプシフトCEO、「落ち着いて」次の大波へ向けての準備

「弱気市場では、冷静で、落ち着いており、現実的な人々が市場の基盤を構築する。」

と現在進行形で行われている仮想通貨業界のインフラ整備について言及するのは、最近KYCの強要についてアナウンスしたShapeShift(シェイプシフト)社CEOであるErik Voorhees(エリック・ボヒーズ)氏。

同氏によると、弱気市場では次の大波に備えるためのインフラを構築することが重要だそうだ。

弱気市場は繰り返す。

ビットコイン市場では、過去8年間で5回の市場調整が確認されている。

今年の約67%程の下落は、市場調整としては2010年以来過去最小。

過去4回あった80%以上の下落を経験している熟練投資家達は、今回の弱気市場にも全く動じていない。

しかし、今年から市場に参入し、銀行預金やローンを使って多額な資本を仮想通貨市場に注ぎ込んだ新規投資家はかなりの損失を被った。

これに対して、投資家保護を掲げるクレジットカード会社は、クレジットカードによる仮想通貨の購入を禁止したが、逆にそれが投資家の自由を剥奪する行為だとみなされ、「小さな親切、大きなお世話」といった意見が後を絶たなかった。

このような背景の下、ボヒーズ氏や仮想通貨大手取引所Coinbase(コインベース) CTOであるBalaji Srinivasan(バラジ・シュリニヴァサン)氏を始めとする仮想通貨専門家は、業界内の開発者や企業が次の強気相場における「新規参入者の大波」に対応できるようなインフラを整備する必要があると強調している。

さらに、現在の弱気市場についてシュリニヴァサン氏は、

「バブルが確認された2011年以降、上昇・下落を繰り返しているが、決してゼロにならなかった。

仮想通貨市場には、強気市場・弱気市場のフェーズがある。」

と言及した。

このような見解は述べるのは同氏だけではない。

ビットコイン財団創設者であるCharlie Shrem(チャーリー・シュレム)氏は、ビットコイン相場における強気市場と弱気市場は通常2年周期だと発言している。

弱気市場で仮想通貨に対する悲観的な見解が増加傾向にある中、日々業界を盛り上げようとする市場参加者の働きぶりが、次の大波に大きく影響するのかもしれない。

原典:Shapeshift CEO: Bitcoin Drop Beneficial in Building Market Foundation

ここまでの内容と考察

弱気市場が継続している2018年。

投機対象として「仮想通貨はもう終わり」という見解がある一方、分散型システムを搭載した製品が実際に登場したり、規制が明確化することで市場が成熟するための基盤が整えられるという見解もあります。

2017年後半の仮想通貨の強気市場では、個人投資家が意欲的に投資を行っていましたが、機関投資家は関与していませんでした。

一方、今年は機関投資家を対象とするファンドが登場するなど少しずつ環境に変化が見られています。

また、ビットコインやイーサリアムのような主要な仮想通貨を含むパブリックブロックチェーンネットワークは「拡張性の問題」の解決に向けて開発が進められています。

このように、一歩ずつ普及が進んでいる仮想通貨。

従来の仕組みを代替するような分散型システムが日常的となるのはまだまだ日が遠いかもしれません。

しかし、「ローマは一日にして成らず」ということわざがあるように、弱気市場のような今しっかりとインフラを整えることが大事なのかもしれませんね。

今後も仮想通貨プロジェクト達の進捗に注目していきたいですね。