2018年産のICOトークン、全体の正味価値70%超下落か

昨今、仮想通貨を巡って資金調達(ICO)をする企業が急増し、市場への期待感も膨らみつつある。

しかし最新の統計によれば、なんとICOを実施した3分の2以上にも及ぶ企業(通貨)の価値が急落し、ICO時よりも安価になってしまっているというのだ。

原価割れ必至?投資家たちが嘆くICOの現状とは

仮想通貨市場を調査する企業である米Diar社が先日発表したデータによれば、これまで発行された約560種のトークン(時価総額ランキング100外)は、累計約50億ドル(約5500億円)もの損失を計上しているという。

これは単純計算で、560種全てのトークンが発行時に立てていた目標総額に対し、約70%近くも下回っている(=投資家の損失)事を意味する。

その中でも特に損失額が大きいトップ10は、以下の画像に掲載されている通りだ。

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2018年ICOトークンワースト10

特に2018年は昨年比でICO件数も急増し、数にして約200億ドル(約2.2兆円)近い金額が同市場に投入されているというデータもある。

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2018年ICO規模推移

期待されている市場なだけに、やはりこうした問題や、直近だとZaif等のハッキング被害はかなり不安視されてしまう。

一方で、先日高騰したADA(カルダノ)等のトークンは、爆発的な人気と共に、一気に通貨価値を高めたという事例もある。

判断が難しい状況が続く中で、投資家たちの塩梅が試され始めている。

原典:70% of Small-Cap Cryptocurrency Tokens Now Worth Less than ICO Raised

ここまでの内容と考察

今年に入って急増するICOの件数に反比例するかのごとく、実際に上場したトークン全体(約560種)の正味価値は約70%も下落しているという、今回のニュース。

日本にはまだICOについて明文化された「規制」がありませんが、それでも金融庁主導で動向を伺っているのは事実で、今後何かしらの動きを見せるかもしれません。

世間の声も様々ですが、あまりガチガチにルールを固めてしまうという発想は、考えものでしょう。

果たして今後、仮想通貨市場はどのように変遷し、その上でICOを取り巻く環境はどのような適応変化を見せるのでしょうか。

将来的な発展に向け、今から諸々の事が楽しみですね!