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ドイツ中央銀行、ブロックチェーン実証実験に「大満足」
- 2018/10/28
- 仮想通貨の最新ニュース
各国中央銀行がブロックチェーン技術や分散型台帳技術の可能性を模索している中、それらの開発に約2年間ほど費やしていた独中央銀行が、ついに成果を挙げたようだ。
ドイツ連邦銀行とDeutsche Börse Group(ドイツ・ボルセ・グループ)が、共同開発したブロックチェーンを基盤とする2つの決済システムおけるパイロットに成功したと発表した。
Digital Asset are delighted to have supported @The_DTCC and @Accenture in this ground breaking study demonstrating that DLT can scale. @MikeBodson @MurrayPozmanter @dbtreat #damldriven https://t.co/tdf3HM0fne
— Digital Asset (@digitalassetcom) 2018年10月16日
既存金融インフラの大改革、独中央銀行によるブロックチェーンの取り組み
ブロックチェーンベースの決済システムの開発を手掛ける意向を2017年2月に明らかにしていた、ドイツ連邦銀行。
今回発表された「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャー・ファブリック)」と「Digital Asset(デジタル・アセット)」を基盤とする2つの決済システムは、定期払い、利払い、証券取引および債券が満期になった際の返済などをサポートする。
また、これらのプロトタイプは、既存金融インフラが処理する取引量を問題なく扱うことが可能だという。
2年近く時間を費やした大規模プロジェクトに句読点を打った、ドイツ・ボルセ・グループのBerthold Kracke(バーソルド・クラック)氏は、「非常に満足できた」と振り返り、
「決済やその他の金融インフラ分野におけるアプリケーションにブロックチェーン技術を応用できることが示された」
と金融部門における同技術の将来性に対する期待のコメントを寄せた。
また、ドイツ連邦銀行の執行委員会のメンバーであるBurkhard Balz(ブアルハード・バルツ)氏は、
「分散型台帳技術のユースケースや具体的な導入について多くのことを学んだ」
と述べ、ボリュームの多い取引を処理するアプリに同技術を検討していることを明かした。
独中央銀行がブロックチェーンにおける本気の取り組みを見せる今日、同技術を基盤とする金融インフラが一般化する日は実はすぐそこまで来ているのかもしれない。
原典:Germany’s Central Bank and Deutsche Börse Complete Blockchain Settlement Trial
ここまでの内容と考察
ドイツ連邦銀行とドイツ・ボルセ社が2つのブロックチェーン決済システムのテストを成功させたという、今回のニュース。
日銀がブロックチェーン技術を未だ疑問視している中、ブロックチェーンをベースにした決済システムのテストを成功させているドイツは、日本よりも一足先を歩んでいますね。
ちなみにですが、独中央銀行が行った今回のブロックチェーンプロジェクトの名は、「Blockchain based settlement technology research (通称:BlockBaster(ブロック・バスター)」。
これは、アメリカで一世を風靡したビデオレンタル企業Blockbuster(ブロック・バスター)から名取っているようですね。
そんなちょっとしたユーモアを交えながらブロックバスターに成功した独中央銀行は、果たして既存の金融インフラ全てをブロックチェーンへ移行する方針で進むのでしょうか。
ドイツと同じくEUに所属するスウェーデンのように、独自のデジタル通貨発行までに至るのでしょうか。
有価証券をトークン化した「セキュリティートークン」の普及にも注目しながら、今後も金融機関によるブロックチェーン関連の取り組みに注目していきたいですね!
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