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元技術リーダーがプロジェクト離脱、TRONは大衆向けプラットフォームではないか
- 2019/5/13
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トロン開発を手掛けたルチエン・チェン氏が、CEOジャスティン・サン氏との意見の食い違いのため、TRONプロジェクから離脱したことが今月10日に公開されたブログで明らかになった
トロンネットワークをこれまで構築してきた技術者によると、「トロンはオリジナルのトロンではない」という。
どこかで耳にしたことがあるようなこの発言の背景には、当業界でよく話題となる分散化に関する議論が根底にあるようだ。
トロンネットワークを構築したルチエン・チェン氏が、分散化の理念にトロンが反していることを理由に、プロジェクトから去ったことを発表した。
トロンには「妥協できないような矛盾がある」
自称「トロン共同創設者兼元CTO」を語るチェン氏によると、トロンは「分散化されたウェブに対する信念」を失ったという。
具体的には、プロジェクト開始当時と現在のビジョンを見比べると、「分散化」と「大衆向けのプラットフォーム」という2つの概念に関して「妥協できないような矛盾」があるそうだ。
それというのも、チェン氏によると、27ノードから成るトロンネットワークの台帳管理やブロック生成を行う「Super Representatives (SR)」のほとんどは、トロン財団によって管理されているという。
また、トロンネットワークを白紙状態から構築した同氏は、現時点で「本当のインターネットアプリ」がトロンネットワークで稼働不可能で、商用アプリが開発されるまでには「程遠い」と指摘。
トロンの分散型アプリは、実質上ギャンブルや資金調達用途などのものとしか機能できないと続け、プロジェクト全体が「ウェブの分散化の精神を持たない金銭的なツールとなった」と言い添えた。
尚、同氏はマイニングを採用する新しいトロンVolume Networkを構築することで、「真に分散化された」ブロックチェーンプロジェクトを開始したという。
トロン財団、チェン氏は「共同創設者ではない」
今回のチェン氏の発表に対して、トロン財団は同氏が共同創設者ではなく、「技術リーダー」としてICOブーム真っ只中の2017年10月にプロジェクトに参加した、と掲示板Redditで批正。
また、トロン財団はチェン氏を含む数名を「資金の不正使用、贈収賄、不正競争、および企業秘密や知的財産の盗難の疑い」で2019年1月に解雇したことを明かした。
しかし、トロンブロックチェーンに対するチェン氏の批判に関するコメントは一切なかった。
チェン氏がトロン共同創設者であったかどうかの確認は取れていないものの、2017年10月に公開されたトロンの公式ブログには「テンセントとアリババで働いていたチェン氏がメインチェーン開発を担当する技術リーダーとして正式にTRONチームに加わった」としか実際に記述されていない。
それでも、一部のRedditユーザーが指摘するように、チェン氏の解雇に関するトロン財団のアナウンスメントがこれまで全くなかったことには疑問が残る。
「第三次ブロックチェーン」としての将来性は?
大衆向けプラットフォームとしてトロンブロックチェーンが批判されるのは今回が初めてではない。
例えば、トロンに買収されたBitTorrentの元最高戦略責任者であるサイモン・モリス氏も、BreakerMagの取材で、トロンの取引処理能力はBitTorretが必要としているものに満たないとコメントしている。
また、世界中から長年支持されているBitTorrentプロジェクトを去った理由について、同氏はトロンCEOジャスティン・サン氏との相性について言及し、以下のように述べた。
ジャスティンがマーケティングに非常に強いことは明らかだ。マーケティングの観点からは、非常に素晴らしい個性を持っている…しかし、技術的なことに関しては何も理解していなかった。私を悩ませていたのは彼のトランプ大統領的なアプローチだ。嘘をついたことが発覚した時の答えが、嘘の倍増だった。際限がない嘘があったため、相性が良くないと思った。
そして、「(トロン)担当者との信頼関係を築くことへの道は、完全に不可能に見えた」と付け加えた。
トロン財団におけるチェン氏の肩書は兎も角、トロンネットワークの「構造上の問題」に関する批判に対し、トロン財団がどのように返答するのかに注目だ。
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