ビットコインは「資産」、中国仲裁裁判所が下したジャッジメントとは

「非中央集権型」を掲げるビットコインを煙たがる傾向にある中国で、仮想通貨に関する興味深い判決が下された。

中国仲裁裁判所が、ビットコインは経済的に価値のある財産として「法的保護」を受けなければならない、という裁断した。

ビットコインは、「経済的価値と利益を提供できる」

深圳国際仲裁裁判所が、仮想通貨の所持および移転に関連する判決を詳述した。

事例分析によると、原告は被告に代わって仮想通貨取引・管理を行う契約を交わしたという。

しかし、被告は合意された締め切り後に、仮想通貨の返金を拒絶。

そのため、原告は、訴訟を提起し、利子をつけて仮想通貨の返還を要求した。

今回の紛争の原因となった、総額約5500万円に上る仮想通貨には、以下が含まれていたという。

ビットコイン:20.13BTC
ビットコイン・キャッシュ:50BCH
ビットコイン・ダイヤモンド:12.66BCD

被告側は、中国人民銀行が実施した仮想通貨取引の禁止令は、仮想通貨で行う決済・送金の禁圧を意味するため、契約自体が無効になると主張。

また、仮想通貨の送金や取引をするための取引所が中国に存在しないことを理由に挙げた。

一方、原告側は、中央銀行による仮想通貨規制が仮想通貨を返還する契約上の義務とは関係ないことをアピールした。

これらを受け、仲裁裁判所は、ビットコインの所有と個人間の取引を禁じる法律は中国にはないとした上で、アドレスと秘密鍵を保有している限り、送金するための技術的な問題はないと指摘。さらに、

「ビットコインは財産であり、当事者によって所有および管理され、経済的価値と利益を提供できる性質を持っている」

と判断した上で、それが法定通貨であるか否かにかかわらず、中国の契約法に基づいて法的に保護されるべきだと結論付けた。

今回の裁判では、新しい法律を必要とせずとも、既存のものだけで仮想通貨に関する紛争がスッキリと処理できたという結末になったようだ。

原典:Beyond Crypto Friendly: Swiss Bank Helps Clients Participate in ICOs

ここまでの内容と考察

中国仲裁裁判所が、ビットコインに経済的な価値があるとし、法的保護を受けるべきだと判断したという、今回のニュース。

前述のようなケースに関して、仮想通貨のために特別な法律が制定しているわけではない中国ですが、従来の法律を基に裁定が下った結果となりました。

ちなみにですが、中国本土における仮想通貨取引所運営は禁止されているようですが、それでも中国ユーザーをターゲットにしたサービスを提供する取引所は存在するようです。

>> 中国政府vs.投資家、抜け道は「VPN」か

もし今回のケースで、被告が海外の取引所を使用し、その取引所がハッキングの被害に受けた場合はどうなるのでしょうか。

今後も仮想通貨を巡る様々な訴訟が提起されるかもしれませんね。

これからも仮想通貨に関する裁判所の判断や法的位置付けに注目していきましょう!