カルダノ、待望の新スマートコントラクト「Plutus」ついにリリース!

30億人に使用されるような分散型プラットフォームを構築するという大きな目標を掲げるCardano(カルダノ)ブロックチェーンの新スマートコントラクトプラットフォーム「Plutus (プル―タス)」が、ついにリリースされたようだ。

出典:PlutusFest公式ページ

同プラットフォームの誕生を祝い、英エジンバラで「Plutus Festival (プル―タス・フェスティバル)」が開催され、新プラットフォームの全容と金融スマートコントラクトに特化した「Marlowe (マーロウ)」について、ブロックチェーン専門家が講演を行った。

満を持してリリースされた新プラットフォームの詳細は、以下となる。

Plutus:カルダノブロックチェーン上で安全なスマートコントラクトを実行するためのHaskellベースのプラットフォーム

出典:Smart contracts language for Cardano launches at PlutusFest

IOHK研究者と技術者が協力して手掛けたPlutusは、Cardanoブロックチェーン上のスマートコントラクトを作成するためのツール及びライブラリー。

同プラットフォームには、コードのテストや調査を⼿軽に⾏うことができるウェブベースのブロックチェーン・エミュレーター「Plutus Playground」が搭載されているという。

Plutusが提供するツールは、スマートコントラクト開発の信頼性を⾼めるだけでなく、開発者のコードをオンチェーンとオフチェーンの要素やパッケージに⾃動的に分割するため、分散型アプリのあらゆる面をカバーし、⽣産性の向上に役⽴つ。

また、「関数型プログラミング⾔語」であるハスケル言語を採用しているPlutusには、形式推論と検証という原則が適⽤されるため、コードの正確性を⾼いレベルで保証することが可能だ。

それというのも、同言語の特徴的なプログラミング手法によって、スマートコントラクトの動作をプログラマーがより深く理解できるという。

そのため、Plutusは他の分散型プラットフォームには見られないような安全性と正確性を提供するだけでなく、複数のブロックチェーンで合わせて数億ドルもの損害を招いたソフトウェア脆弱性に関するリスクを軽減させる。

また、ハスケル言語のような既に確⽴されたプログラミング⾔語を基盤としているため、多くの開発者達がPlutusに関連する⽂書、ツール、またライブラリーをすぐに活用できるという大きなメリットもある。

このように、Plutusは、Cardanoブロックチェーンと同様に「その場しのぎ」で開発されたものではなく、時間を要して厳格に行われる「科学的⼿法」に基づいている。

同プラットフォームのリリースを祝うために開催された「PlutusFest」では、Cardanoの基盤を作り上げ、Plutusを開発した、IOHKとエジンバラ・ブロックチェーン技術研究所に所属する以下のメンバーのを含む専⾨家が講演した。

Philip Wadler⽒、IOHK上級研究員:ハスケル言語を生み出した開発者の1⼈、「Introduction to Functional Programming」の著者

出典:IOHK公式ページ

Aggelos Kiayias⽒、IOHK主任科学者、エジンバラ⼤学情報学部 サイバーセキュリティ&プライバシー教授

Duncan Coutts⽒、IOHK技術部⻑、ハスケル言語開発歴約20年

今回のイベントの全体的な内容としては、Plutusがスマートコントラクトの設計、モデルリング、分析、検証におけるツールを提供し、様々なビジネスや学術⽤途における分散台帳技術導⼊に向けたシステム構築を促進する、というものだった。

Marlowe:⾦融業者向けのシンプルなスマートコントラクト⾔語

出典:IOHK公式ブログ

ブロックチェーン上で⾦融コントラクトをを作成するための使いやすいプログラミング⾔語を使用するMarloweは、プログラミングの経験がない⾦融業界の専⾨家が、Cardanoブロックチェーン上でコードを⽣成しソフトウェア製品を作りだすための⼿段を提供する。

Marloweにおけるブロックチェーン技術を用いた⾦融取引の信頼性や安全性を担保するもののは、プログラミングの専⾨知識ではなく、⾦融知識。

また、開発⼯程を簡素化するため⾦融スマートコントラクトに特化しているMarloweは、Plutusのような様々な⽤途に使える汎⽤⾔語とは異なる言語を採用している。

これにより、プログラマー以外の⼈々でも⾦融取引を⾃動化し、時間と費⽤を節約することが可能だ。

出典:IOHK公式ページ

Marloweに関するIOHKの取り組みについて、ケント⼤学の論理・計算学教授であり、「Haskell: the Craft of Functional Programming」の著者でもあるSimon Thompson⽒を含めるブロックチェーン専⾨家が、前述にもあったPlutusFestで同プラットフォームについて講演した。

開発プロ集団IOHKが手掛けるカルダノのエコシステム拡大に注目が集まる。