仮想通貨決済サービス企業ビットペイ、Bitcoin ABCの後ろ盾か

ビットコインホワイトペーパーの解釈やそれに基づいた開発の方針を巡り、BCH開発チームBitcoin ABCとnChain(エヌ・チェイン)の対立が高まったことによりネットワークが「分裂」すると言われている、BCHハードフォーク。

Biance(バイナンス)取引所やCoinbase(コインベース)取引所がBitcoin ABCをサポートする意向を明らかにしている中、新たな著名仮想通貨スタートアップが、今回のBCHハードフォークに関する「意思表示」をした。

ビジネスはBitcoin ABCの味方!?ビットペイ社もサポートを表明

前述にもあったように、クリプト企業の多くがBitcoin ABCの後ろ盾をする中、仮想通貨決済サービス大手BitPay(ビットペイ)もそれをサポートすると発表した。

「ビットペイは、Bitcoin ABCと呼ばれるビットコインキャッシュの主要ソフトウェアを採用する。Bitcoin ABCは、11月15日にハードフォークを機にビットコインキャッシュプロトコルの変更を予定している。ビットペイが、Bitcoin ABCのソフトウェアから別のものへ移行する予定は現在のところない。」

「ハッシュ戦争」では、自称サトシ・ナカモトがリード!?

今回のハードフォークが特に注目される理由は、それによって生じる二つのチェーンがそれぞれ別の方向を向くのではなく、「交戦状態」となることが予想されているからだ。

それを示唆するように、エヌ・チェーン開発チームを率いる自称サトシ・ナカモトCraig Wright (クレイグ・ライト)氏は、Bitmain(ビットメイン)社CEOであるJihan Wu(ジーハン・ウー)へ「ハッシュパワー戦争」仕掛けると宣言。

「人々は学ぶだろう。新しい資産が生まれわけでなく、 BCHがあるだけだ。(ハードフォーク後に)2つのコインが誕生すると思ったら、それはあなたのお金は無くなるだろう。 一つのBCHで終わるだろう」

これに対して、自称サトシ・ナカモトによって宣戦布告されたビットメイン社は、ハードフォークに先駆けて西部中国地域に約9万台のマイニング機器を導入していると報告されている。

また、現段階では、nChainが奨励する「Bitcoin SV」が過半数以上のハッシュレートを獲得している模様。


出展:コインダンス公式ページ

しかし、この状況が続くとは限らない。

例えば、2017年のBTC-BCHハードフォークの際に、ビットコインキャッシュのハッシュレートがビットコインを継続して上回ることが予想されていたが、BTCネットワークは存続し、最終的にBCHネットワークのハッシュレートは矮小化した。

BCHの将来を巡る「戦争」となるような今回のハードフォークは、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか。

原典:BitPay Sides with Bitcoin ABC in Bitcoin Cash Hard Fork

ここまでの内容と考察

ビットコインキャッシュハードフォークを先駆け、BitPay社が開発チームBitcoin ABCが奨励するBCHのバージョンをサポートすると発表したという、今回のニュース。

著名企業から支持されるBitcoin ABCですが、現段階ではハッシュレートで押されている展開と言えます。

今回のハードフォークを巡り、ツイッター上では以下のような声が挙げられていました。

「ほとんどのビジネスがBitcoinABCをサポートするため、Bitcoin SVがハッシュレートの大部分を獲得しても、BitcoinABCが簡単に勝つと言われている。しかし、Bitcoin SVは、マイニングを継続しながらBitcoinABCの邪魔をできる」

ちなみにですが、nChain開発チームをリードするライト氏は以下のようにコメントしています。

「私たちは、SVを構築している。仮に私たちが失敗すれが、SVは存在しなくなる。しかし、私たちはABCがいなくなるまで止まらない。これは、バイナリ(0か1)だ。ABCとSVは共存できず、また新しい資産は生まれない。」

このように「中央集権化」を肯定するようなコメントを繰り返す自称サトシ・ナカモトですが、果たし今回のビットコインキャッシュハードフォークはどのような影響をBCHコミュニティに与えるのでしょうか。

これは、価格がハードフォーク時にどうなるというような単純な問題ではなく、BCHプロトコールの将来に直結するような非常に重要な問題。

今後もBCHハードフォークについて注目していきましょう!