ビットメインは死に物狂い!?IPOに先駆けASICブーストを解禁!

IPOを控えているマイニング大手が、再び物議を醸すような決断を下した。

ASIC機器製造会社として知られるBitmain(ビットメイン)社が、従来のマイニング設定よりも大幅なコスト削減を実現する「Overt(公然の) Asic Boost」にアップデートするようにマイナーへ促した。

特許侵害では?「AsicBoost」を巡るこれまでの法的論争

ビットメイン社の製品にAsicBoostをサポートできる機能があることを確認した上で、それにオープンソースのASICマイニングシステムである「Braiins OS」を統合すると大手マイニングプールが表明した数日後に行われた、今回のビットメイン社の発表。

そもそもAsicBoostとは、ティモ・ハンク氏とサージョ・ラーナー氏によって共同開発された特許所得済み技術のことで、ビットコインマイニングの作業量を大幅に削減することを可能にした。

つまり、この技術を使うことで、マイナーはマイニング収益を上げやすくなるということだ。

同技術には、「Overt (公然な)」と「Covert(密かな)」の二種類があり、前者では同技術を使用していることがネットワークに知れ渡るのに対し、後者ではそれを隠すことができる。

Covert AsicBoostと同社の関係性を巡り、ビットメックの報告書を中心に様々な議論がされていたが、昨年からSegWit (セグウィット)が導入され始めたことにより、現状ではそれをビットコインマイニングで使用するのは不可能だと言われている。

そんな中、AsicBoostの技術特許は、リトル・ドラゴン・テクノロジー社へ売却され、特許侵害を阻止するために「BDPL(ブロックチェーン・ディフェンド・特許ライセンス)」を通じて他企業による利用が可能となった。

しかし、ビットメイン社は以前としてこのライセンスを取得しなかった。

それにも関わらず、同社が今回のOvert AsicBoostへのアップグレードに踏み切った理由としては、同技術にそもそも「特許権がない」からだという。

「特許権に関しては、引き続き第三者の知的財産権を尊重するが、様々な法的意見を基にするとAsicBoostを巡る特許が現在でも将来的にもないと判断できる」

とビットメイン社は公式発表で説明した。

AsicBoostの利用が不可能になるということを理由にSegWit導入を反対したり、特許侵害を否定しているビットメイン社だが、果たして今回の決断はどのような影響をマイニング市場へもたらすのだろうか。

原典:Under Pressure, Bitmain Releases Patch to Let Bitcoin Miners Activate ‘Overt AsicBoost’

ここまでの内容と考察

ビットメイン社が、マイニングコストを削減できる「Overt Asic Boost 」にアップデートするように促したという、今回のニュース。

以前から物議が醸されていたトピックということもあり、ツイッター上でも様々な声が挙げられています。

「ビットメインがいつになく物議を醸している。最初は(自社製品における)AsicBoostの機能を否定していたが、それが突然現れた。」

「ビットコインキャッシュは、AsicBoostを利用するために作られた。これは、もともとビットコインのバグであり、Segwitはそれを改善するために開発された。ビットコインキャッシュは、Segwitを拒絶しビットメイン社を大金持ちにした。」

また、ビットメイン社の製品に搭載されているマイニングチップが、そもそもAsicBoostに最初から対応しているところも指摘されているようです。

憶測が憶測を呼んでいる中、ビットメイン社は今後もマイニング市場を独占していけるでしょうか。

競合企業の出現にも注目しながら、これからもマイニング市場の動向を追っていきたいですね。