- Home
- イーサリアム共同創設者、テザー疑惑に物申す
イーサリアム共同創設者、テザー疑惑に物申す
- 2018/8/31
- 仮想通貨の最新ニュース
業界第一線で活躍するイーサリアム共同創設者が、価格操作に関与している疑いのある仮想通貨「Tether (テザー)」の後押しをした。
テザーに向けられた疑惑
取引量がビットコインに続いて現在仮想通貨全体第2位であるテザー(ティッカー:USDT)。
米ドルと連動しているため価格変動が少ないこのトークンは、激しい価格変動を経験する仮想通貨投資において「投資家の味方」と称賛されている。
また、USDTのように、比較的価格が安定している仮想通貨は「ステーブルコイン」と称され、Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)氏が1億3300万ドル(約146億3000万円)程ステーブルコインプロジェクトに投資するなど業界全体からの期待値が高い専門分野となっている。
そのため、ステーブルコインの中で取引量が一番多いUSDTは以前から注目されていた。
しかし、今年1月に、「USDT供給量」とテザー財団が保管してなければならない「米ドル保有総量」が一致していないのではないかという噂が広まっている。
これが本当なら、USDT価格の安定性は保証されない。
さらに、ビットコイン市場の価格操作にUSDTが使用されているという疑惑もテザー財団へ向けられた。
今年初めに、テザー財団は米ドルで担保されていないトークンを使用してビットコイン価格を上昇させているのではないかという調査結果をテキサス大学が発表したのだ。
この主張に対して、テザー財団は元FBIディレクターによって設立された米国法律事務所を雇い財務状況を調査すると発表。
その結果、今年6月時点では、トークン供給量をカバーするだけの米ドルを銀行口座に保有していたそうだ。
しかし、監査結果の詳細は公表されていない。
取引所が市場操作している?
このような背景を持つテザーに対して、イーサリアム共同設立者であるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏が、
「興味深いプロジェクトだ」
とYahoo Financeの取材に対してコメントした。
同氏は比較的規制が厳しくない中央集権型の仮想通貨取引所の方がテザー財団よりも価格操作に関与している可能性が高いと主張する。
「様々な業界人と話した結果、USDTが米ドルで裏付けされていると信じる。もし市場操作が存在するならば、テザー財団が直接関係しているかわからない。」
とテザー財団の後押しをした。
さらに、
「中央集権型の取引所における規制が改善することで、価格操作が減るだろう。」
と付け加え、仮想通貨取引所への曖昧な規制について指摘した。
原典:「Ethereum Co-Founder Defends Tether Against Bitcoin Price Manipulation Claims」
ここまでの内容と考察
様々な疑惑がかけられていたテザー財団を仮想通貨業界全体から信頼されているルービン氏が後ろだてしたという今回のニュース。
ルービン氏からのお墨付きを貰ったUSDTですが、一度失った投資家からの信頼を完全に取り戻すのは難しいかもしれません。
また、「Basis(ベーシス)」や「Maker DAO(メーカー・ダオ)」などUSDTの代わりとなるようなステーブルコインが続々と誕生しています。
そのため、USDT以外のステーブルコインを採用する仮想通貨取引所も今後増加すると考えられます。
テザー財団の動向に注目しながら、価格変動が激しい仮想通貨市場におけるステーブルコインの普及に注目していきたいですね。