元米大統領、リップル社主催カンファレンスで「DLT」を語る

ビットコインホワイトペーパーがリリースされてから、約10年(2008年10月31日公開)。

ついに元米大統領が公の場で仮想通貨について議論する日が来たようだ。

Bill Clinton (ビル・クリントン) 氏が、リップル社主催の「スウェルカンファレンス」で、分散型台帳技術(DLT)の「Staggering (驚異的)」な可能性について語った。

元米大統領、分散型台帳技術の将来を見据える
 
「ブロックチェーンに可能性があるのは、国境を越える所得層にそれが適用されるからだ」

このように語るのは、元米大統領クリントン氏。

同氏は、世界でインターネットが普及し始めた時期に米大統領に就任していた人物で、ITと金融に焦点を当てた経済政策を行ったことにより米国に好景気をもたらせたことで有名だ。

そんな同氏によると、国境に捉われない経済を構築する分散型技術は「驚異的な」可能性を秘めているという。

しかし、米経済政策はそれを台無しにする可能性があるとのことだ。

「黄金の卵を産むガチョウを殺さずに、リスク回避する方法が必要。 つまり、今後確立させる規制枠組みについて賢明にならなければならない」

この発言は、厳格すぎる仮想通貨規制を時期早々に実施しないで、業界の発展を「殺さない」ように努めるべきだ、ということを意味すると考えられる。

米国で仮想通貨規制の「明文化」が急がれる一方、同氏はそれを焦らずに慎重にやるべきだと見ているようだ。

また、仮想通貨業界は、先進国と新興国間での財政的、社会的不平等を拡大する可能性があると指摘し、

「早まった行動をとるべきでない」

と言及した。

元米大統領が示唆するように、今後の仮想通貨業界の発展スピードは経済政策によって大きく影響するのかもしれない。

原典:
Blockchain Has ‘Staggering’ Possibilities, Pres. Bill Clinton Tells Ripple Conference

A former US president walks into a blockchain conference…

ここまでの内容と考察

元米国大統領が仮想通貨やDLT技術についてカンファレンス中に語ったという、今回のニュース。

「モニカ・ルインスキー事件」のイメージが強いクリントン氏ですが、実はインターネットが普及し始めた世界の変革時に大統領を務めていた人物。

「Disruptive Technology (破壊的技術)」と先進国における政治の関係性については、誰よりも詳しいかもしれませんね。

また、今回のイベントは、規制が強まるという風潮がある米国でも仮想通貨の注目度が高いことを如実に表しているように感じられます。

日本や米国政府の仮想通貨規制は、今後どのような方針で進められていくのでしょうか?

また、これらの政府と対照的な姿勢且つスピードで仮想通貨関連の取り組みに注力を注ぐマルタは、どのような課題に直面するのでしょうか?

今後もリップル社を始めとするブロックチェーンスタートアップの取り組みに注目していきたいですね。