スキャム大成功!?カナダ取引所が913BTCを「流出」する

セキュリティの脆弱性が原因で、仮想通貨取引所へのハッキングが相次ぐ2018年だが、そんな顧客資金を流出した取引所のリストに新たな取引所が加わる。

カナダの小規模な取引所MapleChange(メイプル・チェンジ)が、ハッキング被害に遭ったことを告げ、取引所を閉鎖すると、今週日曜日に発表した。

しかし、同取引所が報告した被害は、顧客の資産を持ち逃げするための「スキャム(詐欺)」ではないかという見解も多いようだ。

取引所による巧妙なスキャムか、問われる「ハッキング」の真相

今回の被害について、匿名グループがシステムバグの脆弱性が突き「資金を引き出した」と説明する、メイプル・チェンジ取引所。

徹底的な調査を行い、流出した仮想通貨の払い戻しに尽くすとしているが、ビットコインやライトコインは「返金できない」と発表している。

今回の一件が世界的に注目されている理由は、小規模な取引所がハッキングを受けたからではなく、事件発生後の発表の不審さが同取引所による「スキャム」を示唆するためだ。

それというのも、資金を流出したことにより取引所を閉鎖すると発表した際に、ツイッターやテレグラムなどのソーシャルメディアも全て中止すると発表し、その理由を明かさなかった。

そのため、多くの仮想通貨専門家がそれについて厳しく指摘した。

例えば、大手仮想通貨メディアCCNは、MapleChange.comのサイトが先週から急に活発になったことを説明し、ハッキング被害を装って顧客の資産を持ち逃げしている可能性があると考察。

同取引所が「精巧な詐欺」を働いたのではないか、という見解を明らかにした。

また、仮想通貨ジャーナリストであるJoseph Young(ジョセフ・ヤング)氏も、今回の一件が「イグジットスキャム(資金を回収の詐欺)」の可能性があることについて述べ、規制されて透明性の高い中央集権型の取引所を使用するべきだとツイートした。

仮想通貨市場で詐欺が横行しているという風潮を強めるような今回の一件だが、果たして真相は如何なるものか。

ハッキング後のメイプル・チェンジ取引所による顧客への対応に注目が集まる。

原典:Newsflash: Canadian Bitcoin Exchange ‘Hacked,’ Says All Funds are Gone

ここまでの内容と考察

カナダの小規模な取引所が顧客の資金を流出したという、今回のニュース。

ソーシャルメディアのアカウントを停止するという行動は、少し怪しいように思えるかもしれませんね。

このような決断をしたことについて、メイプル・チェンジ取引所は以下のようにツイッター上で弁明しています。

「皆さん、私たちは消えてない。解決策を考えるために、ソーシャルメディアのアカウントを一時的に凍結しているだけだ。」

しかし、海外ユーザーからは、厳しく同取引所を批判する声であふれています。

「謝ったら済む話ではない。捕まえて、裁判をするべきだ」

ちなみにですが、大規模なハッキングを幾度も乗り越えている日本仮想通貨ユーザーは、以下のようにツイートしています。

果たして取引所のハッキングを心配しなくてもいい日は訪れるのでしょうか。

自分の資産を自己管理できる「分散型取引所」の登場にも期待しながら、これからも仮想通貨取引所のセキュリティや仮想通貨詐欺について注目していきたいですね!