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GDPRに準じていない!?Brave社があのシリコンバレー大企業に挑む
- 2018/9/14
- 仮想通貨の最新ニュース
プライバシー保護を徹底する姿勢を見せていることで多くのユーザーから称賛されているBrave(ブレイブ)社が、Google(グーグル)社に対して正規な訴訟を起こした。
ブレイブ、テクノロジー大企業に挑む
「広告業界では、大規模かつ体系的なデータ侵害に関する問題がある。GDPR(一般データ保護規制)が導入されて2年が経過したが、広告関連のテクノロジー企業は未だにそれを遵守していない。」
このように鋭く指摘するのは、 同社CPOであるJohnny Ryan (ジョニー・ライアン)氏。
There is a massive and systematic data breach at the heart of the behavioral advertising industry. This needs to change.
I together with @jimkillock @mikarv worked with @RaviNa1k to file regulatory complaints today under the #GDPR against adtech. https://t.co/XpGeDmGIJN
— Johnny Ryan (@johnnyryan) 2018年9月12日
プライバシー保護において高い機能を搭載しているブラウザ「Brave」を開発した同社が、英国・アイルランドのグーグル社に対して訴訟を起こした。
これをきっかけに、欧州の一般データ保護規制を改善し、EU全体でテクノロジー大企業の個人情報保護方針を調査することをブレイブ社は目論んでいると見られている。
今回同社が訴訟を起こしたグーグル社は、多くの企業を競合させる「リアルタイムビッディング」という方法で、オンライン上の個人向け広告スペースを購入できるようにしている。
ライアン氏によると、この広告は特定ユーザーをターゲットにしており、GDPRによって制限されている性的指向、民族性、政治的見解などの情報も扱っているとのこと。
同氏が指摘するように、実際にグーグル社がGDPRに違反していた場合、規制当局は同社のグローバル収益4%の罰金を科すことができる。
これに対して、同社はユーザーデータを十分に保護しており、欧州の監督当局によって審査されていると主張。
「すべての製品にプライバシーとセキュリティを組み込み、EUの一般データ保護規制に準拠している。」
と表明した。
今回の発表と同時に、ブレイブブラウザはフランスとドイツで、デフォルトオプションとしてグーグル検索エンジンから、ユーザーを追跡、また検索履歴を保存したりしないQwant(クワント)検索エンジンに置き換えた。
— Brave Software (@brave) 2018年9月13日
その理由としては、クワント検索エンジンはユーザーのプライバシーを尊重し、ユーザーの検索結果を調整しないからだそうだ。
これは、検索結果をユーザーによってフィルターするグーグル検索エンジンと大きく異なる。
今回の発表に対して、ブレイブCEOであるBrenda Eich(ブレンダ・アイク)氏は、
「ユーザーが各自の個人情報をコントロールすることができる。」
とクワント検索エンジンをツイッター上で称賛した。
#Interview @BrendanEich 💬 Why did you choose Qwant as the default search engine for @brave in France and Germany? #BeBraveChooseQwant pic.twitter.com/N38MWMEiKo
— Qwant (@QwantCom) 2018年9月13日
原典:Brave Browser Files GDPR Complaint Against Google, Dumps Search Engine
ここまでの内容と考察
プライバシー保護を徹底していることで多くのユーザーから支持されているブレイブ社がグーグル社に対して正規な訴訟を起こしたという、今回のニュース。
ちなみにですが、こちらのウェブサイトによると、6割のインターネットユーザーはグーグル社が提供するブラウザ「Google Chrome」を使用しているようです。
しかし、上述の通り、同社やフェイスブック社がユーザーデータをもとにオンライン広告で莫大な収益を得ている中、その現存するインフラには大きな問題があるという見解もあるようですね。
また、これらの大企業が確立した「中央集権型」且つ「不公平」とも捉えられるビジネスモデルに挑戦する、ブレイブのようなプロジェクトが大きなサポートを得ていることを踏まえると、最近では従来の仕組みに疑問を抱くユーザーも増加傾向にあるのかもしれません。
今後もプライバシーを尊重するブレイブの動向に注目していきたいですね。