イングランド銀行、敵は仮想通貨ではなくフィンテック企業

仮想通貨や分散型技術が従来の銀行サービスを脅かすと予想されている中、現在銀行への直接的な脅威となっているのは「デジタルバンキングサービス」と言えるだろう。

例えば、ロビンフッド社やレボウルト社を始めとする仮想通貨の取り扱いも行っているバンキングサービスは、若い世代からの多大なる支持を得ている。

☞銀行は新興企業に置き換えられる!?Revoultとロビンフッドの「圧巻新サービス」

そんな中、イングランド銀行総裁マーク・カーニー氏のシニアアドバイザーであるヒュー・バン・スティーニス氏によると、銀行業の競争相手は仮想通貨ではなく、デジタルバンキングを促進するフィンテック企業だという。

金融機関は仮想通貨に「心配していない」

従来の金融業界経験者の多くは仮想通貨を潜在的な「脅威」として認識していない場合が多いが、元モルガンスタンレーのバン・スティーニス氏もその例外ではないようだ。

BOE’s Van Steenis on the Future of Digital Banking

同氏によると、従来の金融サービスの基準に達しないような仮想通貨は、既存の金融機関を脅かす存在とは言えないという。

「 金融サービスの基本的なテストを通過しないような仮想通貨にそれほど心配していない。価値の単位ではなく、価値があるわけでもない。また、送金時間が遅い。」

また、バン・スティーニス氏によると、新技術をベースとする新規参入者を既存の銀行システムへ迎え入れるための規制が、現時点でのイングランド銀行の最大の懸念だという。

これに関して、英規制当局はどこまで監視するべきかについて「検討中」だそうだ。

また、世界の銀行はテクノロジーに対する資金の25%しか「デジタル化」に投資していないというデータを引用し、従来の銀行はフィンテック新興企業と同様に速さでイノベーションを行う必要があることを強調。

デジタル化に失敗した場合は、顧客を失う可能性がある、と付け加えた。

「私がフィンテック企業で気に入っているのは、圧倒的な顧客へのこだわりだ。今のチャレンジは、伝統的な銀行が革新する前に、新興企業が顧客を獲得するかどうかだ。」

デジタルバンキングサービスが世界各国で広まっている中、これからの仮想通貨エコシステムの成長に注目が集まる。

原典:BOE Advisor: Crypto Fails Fundamental Tests, But Banks Face Growing Competition from FinTech Companies

ここまでの内容と考察

従来の銀行業へのライバルはデジタルバンキングサービスを促進するフィンテック企業だとバン・スティーニス氏が述べたという、今回のニュース。

仮想通貨の普及には少し時間がかかりそうなことを考えると、現時点での銀行のライバルはやはりフィンテック企業なのかもしれませんね。

今回のバン・スティーニス氏の発言に対して、ツイッター上では以下のような意見が挙げられていました。

「法定通貨は、サウンドマネーとして金融における全てのテストを通らない。インフレ、発行枚数に制限なし、中央集権化されている。仮想通貨は、銀行の長く疲れ果てた経済的な失敗に対する解決策だ。」

「銀行家から何を求める?彼の基本的な金融テストは過去のものであることが問題だ。仮想通貨は未来であり、トークン化が次の波だろう。」

ちなみにですが、「送金時間が遅い」というバン・スティーニス氏の批判は、恐らくビットコインを指していたと考えられますが、遅くても従来の国際送金サービスより速いことは確か。

もちろん銀行口座を作る必要もなく、最近では送金手数料が「激減」していることが報道されています。

☞取引コスト大幅減少!?BTC送金手数料がたった「0.029ドル」へ

果たして仮想通貨は銀行への「脅威」となれるでしょうか。

今後も金融経験者による仮想通貨に対する見解に注目していきましょう!

▼Pickupニュース▼

BCH奨励家コブラ、ビットコインキャッシュは「死んだ」

銀行ビジネスは終わり!?仮想通貨がもたらす4つのグローバル変革

厳冬期を抜けられるか、「4年周期」で動く仮想通貨市場

ミルン氏、BTCブロックチェーンが今後100年間続くことは「確実」

韓国取引所Coinnest、間違ってBTC500万ドル分をエアードロップ

BCH奨励家コブラ、ビットコインキャッシュは「死んだ」

米アナリスト、年内にビットコインETFが承認される「チャンスなし