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国際決済銀行、ハイテク大手の「金融サービス」や「企業コイン」に警戒か
- 2019/6/25
- 仮想通貨の最新ニュース
BIS (国際決済銀行)が、今月23日に公開した年次経済報告書で、ハイテク大手による金融業界への進出におけるリスクや懸念について報告した。
世界中の中央銀行の「中央銀行」は、テックジャイアントの金融業界進出を警戒しているようだ。
BISが最近公開した年次経済報告書によると、フェイスブックを始めとする大企業によるフィンテックの取り組みには、顧客のビッグデータを保有するハイテク大手ならではの「潜在的なリスク」があるという。
ハイテク大手が牽引するグローバルな金融包摂
BISによると、グローバル規模の顧客ベースを持つフェイスブック、アマゾン、グーグルを始めとする大手ハイテク企業は、金融業界で「急速に優位なポジションを確立」できるという。
また、これらの企業によるフィンテック関連の取り組みが国際的な金融包摂に繋がる可能性はあるものの、「金融の安定性、競争、データ保護」における脅威をもたらしかねない、とBISは見ているようだ。
テック大手による代表的な金融サービスとしては、決済サービスが挙げられる。
例えば、Apple PayやGoogle Payのような、クレジットカードまたは小口決済システムを始めとする既存インフラを支払い処理および決済に利用するサービス(=オーバーレイサービス)は、主に米国を始めとする先進国で普及した。
また、AlipayやWePayを始めとする「企業が決済システムを保有している」ようなサービスも、クレジットカードなどの他のキャッシュレスな支払い手段があまり普及していない管轄下で使用されている。
これらのような従来の銀行サービスに依存する決済サービスの他にも、BISは「リブラコイン」のようなグローバル規模で展開される支払い手段が考案されていることについて指摘した。
大企業&銀行に「平等な競争の場」
決済サービスやレンディングサービスを始めとする大企業の取り組みは、より多くの人々が気軽に金融サービスへ手を出せるようになることに繋がるかもしれない。
しかし、BISによると「市場独占」や「データ保護」に関するの新たなリスクをもたらすという懸念もあるようだ。
ビッグデータを活用できる大企業の金融サービスにおける具体的な懸念としては、例えば「レンディングサービス」が挙げられるという。
それというのも、大企業が借手の潜在的な信用度を評価するためだけにデータを活用するのではなく、借手がローンの支払いで希望する最高金利などを特定することにも使用する可能性がある。
すなわち、顧客のビッグデータを利用できる大企業は信用リスクが高い人口を市場から除外できるため、特に大企業が市場を独占したケースに経済や福祉に悪影響を及ぶ可能性があるようだ。
このことを踏まえた上で、BISは世界中の規制当局が「ハイテク大手と銀行の間の平等な競争の場」を確保する必要があることを強調。
さらに、金融規制、競争政策、データのプライバシー規制を考慮した「より包括的なアプローチ」の重要性について、次のように述べた。
ハイテク企業による金融サービス業界への参入において、リスクを制限しながら利益を得るのが目的だ。ハイテク企業は、規制的・地理的境界を跨いでいるため、規制当局間の調整 – 国内および国際的 – が極めて重要である。
中央銀行はコインを発行するべき?
今回の報告書では仮想通貨について言及しなかったBISだが、同行ジェネラルマネージャーでのアグスティン・カーステンズ氏は、かねてより仮想通貨全般を実用性のない「単なるソフトウェアアルゴリズム」と非難している。
また、中央銀行が発行するステーブルコイン「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」は、「金融システムの安定性を保つ中央銀行」へ悪影響を及ぼすと同氏は述べ、金融政策を打ち出す中央銀行の責任が顧客サービスを提供する商業銀行の目的と異なることについて弁説。
さらに、中央銀行の技術革新について、次のようにコメントした。
中央銀行は、イノベーションに対してブレーキを踏むことはないが、全ての”交通状況”を無視して先に進むべきではない。
露中央銀行が将来的にデジタル通貨を手掛けることについて検討していたり、IBMやシティバンク銀行がCBDCの誕生を予想している中、技術革新が著しい世界へ中央銀行がどのように適応するかに注目だ。
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