ベネゼエラの仮想通貨「ペトロ」が50億ドルの資金調達に成功?

ベネズエラが発行した仮想通貨「ペトロ」は詐欺通貨?

ベネゼエラの大統領Nicolás Maduro(ニコラス・マドゥーロ)氏は、地元の報道機関「TeleSUR」に、

「自国の仮想通貨Petro(ペトロ)は、プレセールの段階で50億ドル(約5,300億円)の資金調達に成功した。既に186,000件以上の認証購入があり、この資金はベネゼエラが必要としているすべてのサービスを実現させるために使用する」

と話していた。さらにベネゼエラの仮想通貨監督者Carlos Vargas(カルロス・バルガス)氏は、世界127か国の83,000人以上の人々がペトロを購入しようとしていることを明らかにした。

尚、1日に調達した最高額は7億3,500万ドル(約783億円)にものぼるという。

最近ベネゼエラは急激な景気後退に陥っており、国民は自国通貨ではなく仮想通貨に頼るしかないという。

一方、Maduro大統領の言葉を聞くとペトロのプレセールが成功しているように思えるが、実際はそうではないという。

ペトロはNEMのウォレットを通して配給される仕組みになっているが、実際にまだ配給されているペトロはない。

「通貨主義」の改善を目指していると発表しているものの、国民は半ば半信半疑に陥っている。

ペトロに関する論争

ベネゼエラの指導者たちはペトロが一歩ずつ進歩していると主張しているが、議員たちはあまり賛同していないという。

同国の野党議員は、

「ペトロの売却は国の石油備蓄を抵当にいれるため、違法かつ違憲な手段だ」

とも主張している。国会はこの仕組みを「詐欺の一種だ」と非難し、危険な投資になると主張している。

一方で中国の大手格付け企業「Dagong(ダーゴン)」は、

「ペトロが世界の通貨システムを助けるかもしれない」

と主張した。Maduro大統領はベネゼエラの航空会社に対し、ペトロと他の仮想通貨でエアチケットを購入できるように整備を進めろという命令を下したという。

今回ベネゼエラの石油に裏打ちされた「ペトロ」のプレセールが行われたが、来週から貴金属の価格と紐づいた「ペトロゴールド」も始まるという。

原典:「Venezuelan President Claims Petro Pre-Sale Raked in $5 Billion

ここまでの内容と考察

世界で初めて正式に自国の仮想通貨を発行することになったベネゼエラ。

自国の石油に裏打ちされた仮想通貨ということで、注目を浴びています。一方で「詐欺だ」という非難の声も上がっているペトロ。

ベネゼエラの航空会社をはじめ、着々と国で使える準備が整っているようですが一体どうなるのでしょうか?

今後もペトロをはじめとするベネゼエラの情勢には注目しておきましょう!

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