米国大企業Nvidia 、マイニングなどの仮想通貨事業に終止符を打つ

グラフィックカードやチップの製造で有名な米国大企業Nvidia(エヌヴィディア)が仮想通貨事業に終止符を打つことを発表した。

NvidiaのCFOであるColette Kress(コーテ・クレス)氏によると、

「約1億ドル(約110億円)ほどの仮想通貨関連の製品の販売による収益を見込んでいたが、実際には約1800万ドル(約20億円)だった」

とのこと。

また、NvidiaのCEOであるJensen Huang(ジェンセン・ヒュアン)氏は、仮想通貨全般の価格が下降傾向に転じたため、マイニングチップによる収益性が大幅に下がったと付け加えた。

本当に弱気相場が問題の真髄か?

Nvidiaが仮想通貨事業で収益を上げられない理由が「仮想通貨市場の低迷」とは考えにくい。

例えば、同じマイニング市場でASIC機器を製造するBitmain(ビットメイン)社は、Nvidaの仮想通貨事業の収益の約65倍に値する約10億ドル(約1100億円)ほどの収益を上げている。

また、Canaan(カナーン)社やSamsung(サムスン)社などのマイニング機器製造会社の成長は急速に進んでいるようだ。

これに加え、ビットコインやイーサリアムを始めとしたPoW(proof-of-work)と呼ばれるアルゴリズムを採用するマイニングが必要なブロックチェーンのハッシュレートは過去8ヶ月で大幅に増加。

安定したネットワークの成長を見せている。

これらを踏まえると、弱気市場が主な理由でNvidiaの仮想通貨ベンチャーが苦闘しているという発表には疑問が残る。

GPUマイニングの減少が本当の問題?

相場の下落ではなく、GPUマイニングの需要が減少したことがNvidiaの収益に大きく影響した可能性が高いという見方がある。

Nvidiaが販売するグラフィックカードは主にGPUマイニングに使用される。

しかし、計算処理能力が低いGPUでマイニングできる仮想通貨は、匿名通貨「Monero(モネロ)」などごく一部。

現在は、ASIC機器を使用しないと収益を上げれないような仮想通貨や一般的なマイニングすら必要としない仮想通貨の増加傾向にある。

そのため、Nvidiaの仮想通貨事業の失敗は、グラフィックカードを中心としたGPUマイニング専用の機器を取り扱っていたからという見解が持たれているようだ。

原典:「Nvidia Quits Crypto Due to Low Profit, Not Because of Decline in Demand

ここまでの内容と考察

Nvidiaが仮想通貨ベンチャーに終止符を打つという今回の話題。

しかし、事業の失敗の大きな原因は、公式発表の内容とは裏腹にNvidiaが製造する機器が対象にしていたマイニングの種類にあるとの見方も。

GPUマイニングが減少しているのが現状ですが、今後はどうなるでしょうか?

マイニングが将来どのように変化していくかに注目していきたいですね。