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FATF(金融活動作業部会)、来年6月までに仮想通貨規制を明確化か
- 2018/10/21
- 仮想通貨の最新ニュース
中央銀行の干渉を前提としない新しい価値の交換手段を生み出した一方、犯罪目的のユースケースが危惧される仮想通貨。
各国が独自の方針を打ち出し、規制整備をバラバラに進めているが、国境を越える瞬時決済を可能にした仮想通貨をこのような方法で取り締まることは容易ではない。
そんな中、仏パリに拠点を置き、国際的なマネーロンダリング対策に取り組む政府間組織、「FATF (金融活動作業部会)」が仮想通貨をターゲットにした国際的な規制を2019年6月までに提示する意向を明らかにした。
FATF、世界が連動する仮想通貨の規制の確立へ
1989年に設立されてからというもの、「マネーロンダリング」を始めとする国際金融詐欺や、2001年のアメリカ同時多発テロ事件後には「テロ資金供与」に関する対策を講じてきたFATF。
そんな金融犯罪を第一線で食い止めようとする同組織が、これまで各国政府がそれぞれ独行していた仮想通貨規制に関する取り組みを連動させる意図を明かした。
その内容としては、マネーロンダリングとテロ資金供与を防ぐための一環として、世界中の仮想通貨取引所やウォレットを提供する一部の企業に対してライセンスを義務付けるというもの。
また、ICOを通じて金融サービスを行う企業も規制の対象にされるという。
FATFが確立する規制に各国は準じなければならず、規制が適当に履行されていないと判断された国は、グローバル金融システムへのアクセスが制限されるようだ。
これについて、FATF会長であるMarshall Billingslea (マーシャル・ビリングスレア)は、
「仮想通貨規制の基準に関する追加の指示と、それがどのように施行されるべきかについて、来年6月までに提示する」
とタイムラインを明示した。
すべての国が「協調行動」を取り、仮想通貨の取り締まりを強化しようとするFATFだが、果たして犯罪目的の仮想通貨の使用を撲滅することができるのだろうか。
原典:Global AML Watchdog to Release Crypto Regulations By Next June
ここまでの内容と考察
マネーロンダリング対策に取り組む政府間監視団体が国際的な仮想通貨規制枠組みを確立させるという、今回のニュース。
「非中央集権化」を奨励する人にとってはムッとするような内容かもしれませんが、国境を越える比較的匿名性の高い決済の悪用の容易さを考えると、やはりこのような取り組みが必要なのかも知れませんね。
ちなみにですが、テロリストは仮想通貨による資金調達に失敗しており、実は法定通貨の方を好んでいるという、一般的に信じられていることと相反した実態も米議会で報告されているようです。
やはり仮想通貨を手にする入り口となる法定通貨と仮想通貨ペアを扱う取引所の厳しい規制や、相対での通貨交換の取り締まりが大きな課題となるかも知れませんね。
最近では匿名通貨「Monero (モネロ)」などが通貨としての性能を着実に高めている中、果たしてマネーロンダリングを完全に阻止することは出来るのでしょうか?
国家ではなく、インターネットを中心とする新しい経済インフラを確立させようとする仮想通貨とそれの取り締まりに努める規制当局の攻防に注目して行きたいですね!