EC副委員長、「仮想通貨は資産としてこれからも無くならない」

欧州委員会副委員長、ICOに好意的!?

EU(欧州連合)の立法提案を行う執行機関であるEC(欧州委員会)が、資産としての仮想通貨に関する規制評価について「年内」に結論付けるそうだ。

従来の規制を適応するか、新しく作成するか

上述のように、現在の仮想通貨の課題は資産としてどのように分類するかということ。

「EU監督機関と協力し、この質問に正確に答えようとしているところだ。」

このように述べるのは、以前ICOを「革新的な資金調達方法」と称したこもあるEC副委員長、Valdis Dombrovskis(ヴァルディス・ドムブロフスキス)氏。

「(規制を明確にすること)によって、この分野における次のステップを検討するための基盤を提供できるだろう。」

同氏によると、EU加盟国は仮想通貨規制の策定に関して前向きな姿勢を見せているそうだ。

ECOFIN(経済財務相理事会)に参加した直後の記者会見で、同氏は

「仮想通貨は資産としてこれからも無くならない。最近の市場は大荒れしているが、今後も成長し続けるだろう。」

と主張。

さらに、同氏はICOが従来の資金調達を代替するような可能性を秘めているとした上で、

「ICO市場は昨年60億ドル(約6700億円)以上資金調達したが、今年は大幅に増加する。」

とコメントした。
 
EUの良心的な仮想通貨規制

欧州議会のメンバーの中で、仮想通貨に前向きな議員は同氏だけではない。

先週金曜日、欧州議会議員Ashley Fox(アシュリー・フォックス)氏は、資金調達方法の透明性を向上させるための規制について提案した。

その内容としては、資金調達額の上限を800万ユーロ(約10億円)と定め、KYC/AMLを義務付けるというもの。

これに忠実に従うスタートアップは、EU全体でICOを行えるという。

今回の提案に対して同氏は、

「良い報告書だと思う。何も変更するつもりはない。」

と自信をのぞかせているようだ。
 
 
原典:
‘Crypto Assets Are Here to Stay,’ Says EU Commission Vice President
 
EU Lawmaker Wants Standard Regulations to Allow ‘Passport’ for ICOs

ここまでの内容と考察

EC副委員長が、将来的な仮想通貨の規制やICOに対して前向きな発言をしたという今回のニュース。

以前は、厳しい規制によりICOの本来の目的である「投資を民主化すること」は不可能に近いという意見が多かった中、今年に入ってからヨーロッパは仮想通貨に比較的良心的な姿勢を見せています。

しかし、「800万ユーロという額が果たして適切か?」などの議論について考えると、完全に規制の全容が明確になるにはまだ少し時間がかかりそうですね。

今後もヨーロッパ仮想通貨市場の動向に注目していきたいですね。