イーサリアム創設者、「仮想通貨投資で1000倍リターンはもうないだろう」

イーサリアム共同創設者であるVitalik Buterin(ビタリック・ブテリン)氏によると、昨年のように仮想通貨価格が1000倍程上昇する日はもう来ないそうだ。

同氏は、仮想通貨とブロックチェーン技術に対する一般人の「認識」は、主要仮想通貨価格が10〜300倍を記録した時点でこれ以上ない高まりをみせたという。

「この業界は、天井が見えるところまで達している。 現時点で、一般的な教養のある人は少なくとも1回くらいはブロックチェーンについて聞いたことがあるだろう。 今後この業界で何かが1000倍成長するといったような機会はもうないだろう。」

と同氏は言い切った。

マーケティングだけでなく普及へ

昨年の投機的なバブルによって、仮想通貨という新しい資産クラスに多くの人が関心を持つようになった。

しかし、今後は消費者に向けて製品でなく「技術」を推進するような戦略は「Dead end (行き止まり」だと同氏は指摘する。

同氏によると、仮想通貨やブロックチェーンの関心を集めるのではなく、アプリのユーザビリティやアクセシビリティを向上させ、ユーザーが実際に使いたくなるようなアプリ開発に焦点を当てるべきだそうだ。

また、ブロックチェーンを基盤とするアプリの開発者は、分散型システムが中央集権型のプラットフォームと同じくらい効率的であることを保証しなければならないと同氏は付け加えた。

しかし、現状ではそれに至るまで時間がかかりそうだ。

例えば、中央集権型のアプリを代表するTwitterに代わる分散型アプリ「Peepeth(ピーペス)」は、ユーザーがアプリを使用するたびにイーサを送金する必要がある。

法定通貨から仮想通貨への移行すら大衆にとって困難なものになっているため、さらにアプリを使用する度に手数料を要求することはユーザーを疎遠させるだけだろう。

原典:Ethereum Creator Believes Days of 1000x Crypto Growth is Gone

ここまでの内容と考察

仮想通貨投資で1000倍リターンはもうないだろうとブテリン氏が発言したという今回のニュース。

同氏が述べるように、「認識」という点ではほとんどの人が既にビットコインやブロックチェーンという言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。

また、仮想通貨の普及の段階を考えると、新しいテクノロジーに比較的に積極的なEarly Adaptor(初期採用層)・Early Majority(前期追随層)から懐疑的なLate Majority(後期追随層)への変わり目である現在。

上述のように、今後は実際にユーザーが簡単に使用できるような分散型アプリの開発が重要になってくるかもしれませんね。

今後も従来のインフラが生み出した問題を解決することに精を出すこの業界を応援していきたいですね。