必然の戦略?仮想通貨業界におけるM&Aが昨年比約3倍へ急増

仮想通貨業界でM&A(合併・買収)の動きが急速に増加している。

ビットコインをはじめとする各種通貨の低迷によって相場は落ち込むどころか、企業人・投資家たちは現状況を逆手に利用し、一気に勢力図の書き換えを狙いに向かっている様子だ。

景気に反比例?M&A急増の背景とは

上述の通り、現段階で確かなのは、仮想通貨相場全体が低調であるという事実に尽きる。

ビットコインに至っては「今」買うべきではないとの意見も飛び出すなど、まさに不景気をダイレクトに反映する様相を呈している。

そんな中で今回話題となっているM&Aが急増しているという事実は、足元で大企業による業界の再編が着々と進んでいることの表れであるとの見方が強い。

報道によれば、仮想通貨とブロックチェーン関連で今年これまで約115件のディールが成立。年末までには約145件に到達する見込みだという。

去年のディール数は47件であった事から鑑みても、実に3倍近い数値に到達する可能性がある事となる。

実際の変化の様子は、以下の画像が示す通りだ。

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出典:JMP公式HP

こうした動きの背景にある主な原因としては、仮想通貨および関連ベンチャー企業の評価額低下が紐づいている事が挙げられると専門家は指摘する。

一般的な株式投資と比較してボラティリティが激しい仮想通貨投資は、一旦下落するとそれに連動する形で会社の価値も急落してしまうため、結果として従来の大企業等がそれらを安く買収できるというシナリオとなっている。

また、長期的な視点でプロジェクトを実施したいベンチャー企業が多数を占める事も、それを援助するだけの資金力等がある大企業にとって都合が良く、win-winな形でM&Aに繋がっているというわけだ。

これまでにM&Aで話題になったケースでいえば、大手仮想通貨取引所Coinbaseがearn.comを買収した例などは記憶に新しいだろう。

このディールによってCoinbaseは、earn.comのCEOと創業者を、同取引所初のCTOに迎える事に成功している。

目まぐるしいスピード感で変化が求められる、仮想通貨業界。

今後、こうしたM&Aをはじめとする各種戦略が求められるシーンは、着実に増していく予感が漂い始めている。

原典:In the ‘Opportune’ Bear Market, Crypto Merger & Acquisitions Surge Over 200% in 2018

ここまでの内容と考察

ここ最近の仮想通貨業界におけるM&Aの件数が、昨年比で約3倍近くまで急増しているという、今回のニュース。

日本よりもむしろ海外で積極的におこなわれてきた同戦略ですが、ここにきて仮想通貨業界にブームが起きているのはある種の必然性を秘めているのかもしれません。

実際に世間からもM&Aに対する様々な声が聞こえてきていますが、これから仮想通貨市場全体が拡大する上では、こうしたやり方の必要性が増してきそうな予感がします。

果たして今後さらに仮想通貨市場でM&Aは増加の一途を辿るのでしょうか。更なる期待と注目を寄せていきましょう!