ロシア中央銀行、仮想通貨によるICOについて警告

ロシア中央銀行は、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)と暗号通貨が内包するリスクについて公式声明を発表した。

同行は、暗号通貨の人気の高まりと導入に関する投資家・メディアからの質問を引用しながら、仮想通貨とデジタルトークン売買に対する自身の考えを公式発表。仮想通貨市場を「監視」し規制枠組みの開発を継続するとの意思を固めた。

こうした事実から垣間見られるように、ロシア中央銀行は、国内での仮想通貨と関連する金融商品の導入について反対姿勢だ。また当局は、2014年1月に発表した声明において、ビットコインを「金銭代理人」と例え、国内では違法とすると話した。

さらに、ICOによる資金調達だけではなく急激な「変動」による仮想通貨取引の「リスク」についても強調した。

中央銀行による通告を大まかに訳すと、次のような内容だ。「仮想通貨は無数の匿名団体によって発行されている」「その匿名性により、市民や企業がテロ資金調達や不正資金入手の合法化(ローンダリング)を助長するといった犯罪行為に巻き込まれる可能性がある」

さらに注目すべきは次の警告だ。

「ロシア銀行は仮想通貨を使用するリスクの高さを鑑みて、仮想通貨と関連金融商品を、ロシア連坊における管理貿易やインフラ整備のための決済手段として用いたり使用したりすることを時期尚早であると考えている」

中央銀行は上記の発言を引用しながら、仮想通貨を利用したり投資したりする際の「リスク増加」を市民らが認識するよう呼びかけた。

この警告は月曜日、中国がICOの全面禁止を決定した直後に発表された。シンガポール、香港、米国を含むいくつかの国の規制当局もICOに関する警告を発している。

原典:Russia’s Central Bank Issues Warning on ICOs, Cryptocurrencies

ここまでの内容とまとめ

中国人民銀行がすべてのICO取引を禁じる声明を発表したことをきっかけに、今後のICOの動向にいっそう注目が集まっています。

中国の全面禁止を発端に、上記のようなロシアを初め、世界各国で仮想通貨やICOへの注意喚起を呼びかける警告が発表されており、規制法を設ける諸外国は今後増えていくと言われています。

実際、まだ歴史の浅い仮想通貨市場に対して、ロシアしかりアメリカ、韓国でも法整備が追いついていないのが現状です。
その点日本では2017年4月に通称「仮想通貨法」が採択され、初めて仮想通貨が通貨として認められた経緯があります。さらに決済手段としての導入店舗が増えたり、CMで仮想通貨取引所が取り上げられたりと、波及の流れは追い風と言えるでしょう。

ただし日本もまた、ICOによる資金調達が一般に普及されるほど、何らかの法整備が必要となってくるのではないでしょうか。自由度の高いICOは詐欺などに利用されやすいからです。

仮想通貨とその関連市場の伸びはまだまだこれから。法整備を待たずしてICOに投資したいという方は、より有益で、より安全性と信頼性の高い情報にアンテナを張っておく必要があります。