マレーシアでビットコインの合法化!新規ユーザー獲得への影響は?

今週初め、マレーシア政府と金融規制当局が、マレーシアのビットコイン産業を管理し、同国内のデジタル通貨の使用を合法化すると発表した。

マレーシア中央銀行(BNM)の知事Muhammad bin Ibrahim(ムハンマド・ビン・イブラヒム氏)は、次のように述べている。

「BNMは、年末までに、暗号化に関するガイドライン、特にマネーロンダリング対策やテロ資金調達に関するガイドラインを出したいと思っている。私たちは、この分野への参加を希望する人々のために明確なガイドラインを作りたいと考えている。」

なぜマレーシアのビットコイン合法化が大きな取引であるのか

2016年後半、マレーシア政府は自国通貨である「リンギット」の大幅な切り下げを受け、短期間で米ドルなどの主要通貨に対して約2%の価値下落となった。

BNMおよび商業銀行はこれに対する解決策として、「リンギット」と「デリバティブ」の海外取引を禁止する厳格な規制を課し、それ以来外国人労働者は自国の家族に送金する安全で安価な方法を模索するのに苦労しているという。

今回のマレーシアのビットコインの合法化は、労働者と外国人投資家が国外へ資金を効率的に移動するための代替的な財政・送金システムを提供することができる。分散したビットコインネットワークを通じて、外国人労働者は家族にお金を返すことができるようになったのだ。

東南アジアにおける送金方法としてのビットコイン利用の拡大

一方フィリピンのような国では、多くの労働者がビットコインプラットフォームを利用して送金を行っている。フィリピン政府が送金ネットワークとしてビットコインを合法化したことにより、ビットコイン新興企業「Coins.ph」は2年の運用期間中に何百万人もの新しいアクティブユーザーを獲得した。

2月には、フィリピンの中央銀行であるBankgko Sentral ng Pilipinas(BSP)が次のように述べた。

「BSPは、ビットコインなどの仮想通貨は中央銀行によって発行・保証されたり、またいかなる商品によって裏付けされたりもしないため、仮想通貨を貨幣として保証するつもりはない。

むしろ、BSPは、金融サービスの提供、特に支払いや送金に使用される場合における、仮想通貨の規制を目指す。これによりマネーロンダリング(AML)やテロ資金調達(CFT)防止、消費者保護および財務の安定に重大な影響が及ぼすことができる。」

原典:「How Malaysia’s Legalization of Bitcoin Could Bring Millions of New Users

まとめと考察

長年、自国通貨が国外に流出することに規制がかけられていたマレーシアでは、国外にお金を送ることがなかなかできませんでした。

しかし今回のビットコイン合法化により、マレーシアの労働者は国外に資金を、安価にかつ安全に送金することができるようになりました。仮想通貨の大きなメリットの一つである「送金の手軽さ」が今後マレーシアでも活かされるということです。

フィリピンのように、マレーシアでも海外への送金に対する需要は十分見込まれることから、ビットコインユーザーは何百万人にも及ぶと思われます。

今後もアジアを中心にビットコイン市場はさらに成長していくのか注目ですね!