アメリカの仮想通貨保有者はわずか8%?「複雑すぎて理解できない」

アメリカの大手調査会社「Finder(ファインダー)社」が、アメリカ国民における仮想通貨の保有率や関心度合い、そして性別の分布に関する統計を調査したという。

Finder社はこの調査で購入した銘柄や購入理由、そして性別や年齢層の分布など複数の質問をアメリカの2001人を対象に調査し、それによってさまざまな統計が出来上がった。

まず明らかになったのは、アメリカの仮想通貨保有者の約5.15%がビットコインを保有しているということ。

引用:Finder

さらに、調査対象のうち29.99%の女性と23.63%の男性が

「仮想通貨は複雑すぎて理解できない」

と回答していたという。

引用:Finder

調査の欠点

実はこの統計はまだまだ未完成。

というのもこのデータの対象はわずか2001人。これはアメリカの成人人口のわずか0.0011%にすぎないという。

したがって、調査対象となった2001人の成人はアメリカの人口を正確に表したものではないのだ。

全人口の保有率を独自調査するのが難しくても、米国勢調査局が実施した「アメリカンコミュニティ・サーベイ(国勢調査)」のデータを照らし合わせることもできたはず。

そうすれば年齢や人種、性別や地理的な人口統計データを参考にすることができるので、新たに作成された統計がより正確なものになっただろう。

1月に実施された大規模調査の統計

2018年1月に、「グローバルブロックチェーン・ビジネスサーベイ社」と「サーベイモンキー社」が合同で統計を発表していた。

この調査ではアメリカの成人5,761人に対しての調査データに、上記の国勢調査のデータを複合させたものとなっているためかなり正確であると言われている。

この調査によると、国民全体の約5%が既に仮想通貨を保有。そして全体の21%は仮想通貨をポートフォリオに組み込もうと検討している段階だという。

さらに仮想通貨保有者の58%は34歳未満の白人男性だという統計が発表された。

引用:COINTELEGRAPH

他にも1,000人を調査対象としたLENDEDU(レンドエデュ)社の統計では、仮想通貨保有者の多くは「ミレニアル世代(1980年~2000年代に生まれた世代)」だという。

この点に関しては今回調査を行ったFinder社も同様で、ミレニアル世代の次に続くのが「X世代(1960年代~1970年代に生まれた世代)」。

引用:Finder

具体的にはアメリカ国民のミレニアル世代のうち、17.21%は仮想通貨を保有しているという。

X世代に関しては8.7%が保有しているという。

さらに過去の保有率の調査では、ミレニアル世代の約38.64%が仮想通貨を過去に保有していたという結果が出ている。

一方のX世代は32.54%が過去に保有していた。

今後も仮想通貨に関する統計やデータが多く発表されてくると言われているが、いずれも正確なデータを取り切れていない。

例えばペーパーウォレットで保管されている仮想通貨やMonero(モネロ)やZcash(ジーキャッシュ)といった匿名コインでの取引は原則判明できない。

今後より正確な統計データを取るために、こういった問題をどうやって改善していくのかに注目が集まる。

原典:「How Many Americans Really Own Crypto, Skewed Results of Polls and Surveys

ここまでの内容と考察

非常に興味深い調査が行われましたね。

統計対象や範囲にやや問題もありますが、最新の統計データということでアメリカの仮想通貨保有率や性別ごとの保有率・認知度が発表されました。

G20をはじめ、各国で仮想通貨の規制やルールが定められている中、意外にも認知度は低いのかなという印象でした。

むしろアメリカをはじめとする先進国での金融リテラシーはかなり進んでいますので、そういった意味でも現段階では仮想通貨への投資を考えていない人も多いのでしょう。

一方韓国では仮想通貨への認知度は20%を超えているそうで、多くの韓国国民が仮想通貨へ関心があるそうです。

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