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米著名ベンチャーキャピタル、ホロウィッツ流「ステーブルコイン」投資の儲け方
- 2018/10/2
- 仮想通貨の最新ニュース
価格が変動しないコインがベンチャーキャピタルの投資対象として注目を集めている。
前述のような特徴を持つコインは、「ステーブルコイン」と総称され、価値が裏打ちされているため価格変動が少ない。
そんなステーブルコインの一種である、Maker (メーカー)に米著名ベンチャーキャピタル「Andreessen Horowitz (アンドレーセン・ホロフィッツ)」が1500万ドル(約17億円)を投資したと先月25日に発表。
同ベンチャーキャピタルのゼネラルパートナーであるKatie Haun (ケイティー・ハウム)氏は、
「メーカーネットワークなら、インターネットに接続できたり、デジタル資産を持っている人なら誰でも仲介者なしで貸付ができる」
と期待のコメントを寄せた。
ステーブルコインへの投資で儲けるというのは、一見不合理なようにも思えるが、ベンチャーキャピタルは一体どのように儲けているのだろうか?
「銀行」に預けているのと同じような仕組み?
アンドレーセン・ホロフィッツは、メーカーネットワークの「貸付」と「買戻し」プログラムによって利益を得ているそうだ。
MKRコインへの投資は、概念的には米銀行にドル貯金をすることに似ている。
銀行に一定金額預けると、個人はその銀行が提供する金利プログラムに基づいて、毎月または毎年「リターン(利子)」を受け取ることができる。
顧客が預けた資金をもとに、銀行は信頼できる企業や投資家に融資し、顧客への利子を支払う。
MKRコイン投資でも同様に、投資金額に基づいて、一貫した利回りを得ることができるようだ。
これを実現するために、メーカーネットワークでは2種類の仮想通貨を採用している。
まず、1 DAI = 1 ドルと価格が安定しているステーブルコイン「Dai (ダイ)」。
出典:Maker公式サイト
これは、テザーのような他ステーブルコインとは異なり、法定通貨ではなく、イーサリアム(ETH)とMaker (MKR)の2種類の仮想通貨により価値が裏付けされている分散型ステーブルコインだ。
ユーザーはイーサリアムをスマートコントラクト上の「エスクロー口座」に送金するのと引き換えにDaiを受け取れる。
すなわち、メイカーネットワークは、イーサリアムを担保に入れたユーザーに資金を貸し付けているということ。
一方、MKRコインは、ETH価格大暴落時などの緊急事態に、DAI供給量をカバーするための最終手段として利用される。
このようなエコシステム内で重要な役割を果たすMKRコインの所有者は、利子を受け取ることができる。
また、仮想通貨ならではの方法でMKRコイン投資家へのリターンを約束しているようだ。
ダイ保有者が借りた金額を返済する場合、メイカーネットワークへ手数料が支払われる。
その後、同ネットワークはMKRコインを市場から買い上げ、それを「バーン(燃やす)」ことで、MKRコイン価格を上昇させる。
(バーンとは、仮想通貨を誰も所有していないアドレスへ送金し、人工的にコイン供給量を減らすこと。)
このように、MKR保有者は、いわゆる「金利」と「バーン」によって、ある程度のリターンを得ることが可能だそうだ。
米ドルや日本円などの法定通貨とペッグされるステーブルコインが増加する中、メーカーネットワークのような中央集権型の機関を一切必要としないステーブルコインは、すぐそこまで来ているといわれる将来の「トークン経済」に大きく影響するだろう。
原典:How Can Andreessen Horowitz Profit From its $15m Investment in a Stablecoin?
ここまでの内容と考察
誰もが一度は耳にしたことがあるベンチャーキャピタル「アンドレーセン・ホロフィッツ」が多額の資金をステーブルコインプロジェクトへ注いでいるという、本日のニュース。
上述にもあったように、メーカーネットワークは二種類の仮想通貨を採用し、仲介者なしでローンができるようなシステムを構築しています。
ちなみにですが、同ベンチャーキャピタルは仮想通貨関連の企業への投資には積極的で、ポートフォリオには米国で大人気の手数料無料取引所「Robinhood(ロビンフッド)」が含まれています。
また、最近では、米国政府とシリコンバレーのテクノロジー企業を橋渡しするような役割も意欲的に行っています。
Top VC firm says techies need to get along with the government http://t.co/INWqpbEwOg
— WIRED (@WIRED) 2015年4月16日
今後も同ベンチャーキャピタルのポートフォリオや仮想通貨企業への投資方針に注目していきたいですね。