ロシアの経済開発大臣「ビットコインはカジノより悪質だ」

プーチン大統領、ロシア国内におけるビットコインに対する規制を発表

先週、ロシアの金融当局や規制当局の関係者が、仮想通貨についてプーチン大統領と議論をしたという。

その議論の中でプーチン大統領は、

「仮想通貨は既に世界中で決済の手段として認められているが、同時にマネーロンダリングや脱税の手段として利用されている。」

と仮想通貨に関する警告をした。

ロシアのAnton Siluanov(アントン・シルノアノフ)財務相は、中央銀行総裁や大統領補佐官といったロシア政権の重鎮たちが集まる会談で、仮想通貨の循環プロセスを国家が管理するべきであることに同意し、むしろ支配するべきだと話していた。

またSiluanov氏は9月頭に

「仮想通貨は確かに存在し、認知され始めている。ただ、だからといって禁止するのはあまり意味がないので、本当の意味での規制が必要になる。」

と述べていた。

ビットコインと国民の距離

ロシアの経済開発大臣であるMaxim Oreshkin(マキシム・オレキシン)氏は、

「ビットコインをはじめとする仮想通貨は、現状ボラティリティ(価格の変動性)が非常に高く、数10%上がる時もあれば、数10%下がる時もある。このボラティリティはカジノを行うより悪質だが、仮想通貨は相場をよく理解していない投資家でも始められてしまう。

きっと運よく利益が出たとしても、そのあと全てを失うことになるだろう。そして最終的には何も残らずに相場から去ることになるかもしれない。」

と話しており、ソチで開催された青少年世界博覧会でも仮想通貨から投資家を守りたいと主張していたという。

同じようなボラティリティを持つ保険商品でリスク管理ができなければ、ほとんど99.9%の確率で最後には損失を出してしまうだろうとも主張している。

これに対し、Alexei Moiseev(アレクセイ・モイゼフ)副大臣は

「ビットコインの売買・取引はある一定の水準以上の投資家のみ可能にするべき」

とOreshkin氏の意見に賛同している。ちなみにMoiseev氏の言う「一定水準以上の投資家」というのは、少なくとも資産額が600万ルーブル(約1,100万円)以上あり、年間の売買・トレード回数が40回以上。もしくは有価証券を扱う金融機関で最低2年以上勤務していた者だという。

原典:「Bitcoin is ‘Worse than Casinos’, Says Russia’s Economic Development Minister

ここまでの内容と考察

以前も当サイトで報告したように、ロシア政府が仮想通貨への規制に乗り出すようです

中国が仮想通貨やICOを規制した表向きの理由が「詐欺」が横行し、国民が不利益を被ることであったように、ロシア政府も表向きには「投資を保護するため」ということを発表しました。

しかし、実際のところ仮想通貨規制の理由は、マネーロンダリング(資金洗浄:お金の出所がわからなくすること)防止でしょう。仮想通貨は匿名性が高く誰がどこにいくら送金したかが特定しづらいのです。

ましてやZcashやMoneroなど、仮想通貨の中でも匿名性の高い通貨を使えば、今のところ、資金がどこからどのように動いたかどうかがほぼ特定されません。

このような仮想通貨の特徴を利用して、麻薬の売買など犯罪者たちのマネーロンダリングの手段として使用されていると言われている。また、一般人が脱税の手段として使用することも可能です。

今後は、日本でもマネーロンダリングが問題に上がることがあるかもしれません。