匿名通貨Moneroがソースコードの変更?中央集権型マイニングへの対抗か

匿名通貨Moneroが吠える!中央集権型マイニングへ対抗策

匿名通貨Monero(モネロ)が中央集権型になりつつある世界のマイニング事業と攻防を繰り広げている。

マイニングの分散化へ

仮想通貨は「分散化システム」のコンセプトをより多くの人に広めることができた一方で、マイニングの中央集権化が進んでいるという問題がある。

例えば、仮想通貨の起源であるビットコイン。

約80%のビットコインマイニング事業は中国を拠点としている。

また、その中でもビットコインのブロック生成の約25%は「AntPool(アント・プール)」と呼ばれる中国のマイニング事業によって行われている。

このようなマイニングの中央集権化は「ASIC(特定用途向け集積回路)」の開発が進んだことにより、マイニングで収益を得るには一般的なコンピューターではなく高価な機器をマイニングに使う必要がでてきたためとされている。

そんな中、このようなマイニングの中央集権型に対抗するため、MoneroはASICで行うマイニングに対抗するソースコードの変更を行ったという。

匿名通貨の開発で名高いRiccardo Spagni(リチャード・スパグニ)氏が、Moneroはソースコードの最新バージョンであるLithium Luna(リシアム・ルーナ)をリリースしたと先週末に発表したのだ。

これにより、ASICを使ったMoneroのマイニングが収益を上げることが困難となるため、よりマイニングの分散化が促進されるといわれている。

Moneroと中央集権型マイニング事業との攻防

Moneroは「Bitmain(ビットメイン)」などの市場を独占している大手ASICメーカーに対抗するため、Moneroのマイニングアルゴリズムを6ヶ月ごとに少しずつマイニングアルゴリズムを変更するという意図を公式ブログで発表した。

一方でそれをあざ笑うかのように、Bitmainはブログが公開されたわずか数週間後にモネロなどの一部の匿名通貨でよく使われているCryptnight(クリプトナイト)と呼ばれるマイニングアルゴリズムに対応する「Antimer X3(アントマイナー・エックススリー)」を量産。

しかし、この時MoneroはすでにASICメーカーへの対策をしていた。

すぐさまMoneroは「Anteroer X3」の仕様をアルゴリズム更新で無効にすると発表。

このようなMoneroの決断は、広範なコミュニティサポートがある一方で、「攻撃的過ぎるのではないか」という声もある。

しかし、Moneroの開発者たちは、BitmainはビットコインやSiacoin(シア・コイン)のネットワークにおけるマイニングに大きく影響を与えているため、市場操作を含めたその他多くの問題を引き起こしていると反論。

また、Moneroのネットワークは将来的にASICによって支配されるかもしれないが、「可能な限り平等に」移行するような努力すると誓っている。

ここまでの内容と考察

Moneroがマイニングの分散化を促進させようという試みをしています。

日本でもGMOやDMMなどの大企業しか収益を上げることができない仮想通貨マイニング。

そんな中、Moneroはマイニングが一般の人でもできるように広く普及させるという目標があります。

また、Ethereum(イーサリアム)の創設者Vitalik Buterin (ビタリック・ブテリン)も、将来的にはEthereumを一般のコンピューターでもマイニングができるようにさせたいという意図を過去に語っています。

しかし、ビットコインやMoneroなどの仮想通貨の初期の時代に開発された通貨が使うPoW(Proof-of-work)と呼ばれるマイニングアルゴリズムは「時代遅れ」という声が多いのも事実。

今後どのようなマイニング事業が栄えるかは定かではありませんが、ビットコインマイニング事業が経営戦略を再度見直ししなければならない日はすぐそこに迫っています。

今後も、仮想通貨業界の柱ともいえるマイニングに注目していきたいですね。

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