Moneroがハードフォークを実行!マイニング機器製造元が大赤字に

仮想通貨マイニング被害増加!パソコンで勝手にマイニングされる!?

マイニング機器製造元は中央集権型のマイニングに対抗する匿名通貨「Monero(モネロ)」にお手上げ状態だという。

先週、Moneroは独自のマイニングアルゴリズム「Cryptonight(クリプトナイト)」 の変更を含むハードフォークを行った。

ハードフォークとは、仮想通貨の仕組み上で新しくルールを作り、過去のルールとの互換性をなくすこと。

今回のハードフォークでは、「ASIC(特定用途向け集積回路)」を使用したマイニングができなくなるようにソフトウェアをアップデートする。

その意図は、中央集権化した現在のMoneroマイニングを分散化させることだといわれている。

そもそもマイニング業界はASICの開発が進んだことにより、現在では高価の機器を購入できる特定一部のユーザーしかマイニングで収益を上げることができなくなっている。

そのため、マイニングが中央集権化しているとの批判の声が大きくなり、今回のハードフォークが提案されたのだ。

中央集権型マイニングへの対抗

今回のようなアップデートはマイニング機器製造元にとっては大きな損失だろう。

大手ASICメーカーである「Bitmain(ビットメイン)」や「Baikal(バイカル)」は、ASIC機器を既に量産していたのだが、突然MoneroがASICに対抗するようなアップデートをすると発表したのだ。

ASICはマイニングのためのプログラムを変更することができないため、結果的に「Bitmain」と「Baikal」は役立たずの機器を量産したことになる。

これに対して、Baikalはすこしでも資金を回収するため、安価で機器を販売しているという。

現在のところ、予定していた一台の機器の価格で、五台分のASICが購入可能になっている。

Bitmainは、昨年の利益で40億ドル(約4300億円)の利益があるため、今回のような損失には対応できると見られている。

また、BitmainはASICが使用可能な古いMoneroの開発を続けることを促進し、「Monero Classic(モネロ・クラシック)」という仮想通貨のマイニングを今後も奨励するようだ。

原典:Manufacturer Holds Cryptonight ASIC Firesale after Monero Hard Forks

ここまでの内容と考察

以前から中央集権型マイニングに関してその危険性を指摘していたMonero。

しかし、今回のハードフォークはコミュニティーから支持されながらも、少し過激すぎなのではないかという意見もあります。

最近ではEthereumもASICへの対処をするべきかということが議題となり、Ethereum共同創設者Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏はそれに対して現在のところでは反対しています。

仮想通貨業界初期から存在している仮想通貨の多くが必要とするマイニング。

今後どのようにマイニング事業が変化していくかに注目が集まります。

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