中国に続き、韓国もICO規制を発表

中国に続き、韓国もICO規制を発表

韓国の金融監督院(FSS)は、9月29日にICO(Initial Coin Offering)を全面禁止すると発表した。

ICO禁止の理由は詐欺通貨から投資家を守るためとされており、中央金融委員会のKim Yong-Bum(キム・ヨンボム)副委員長は

「我々はICOによる悪影響をずっと懸念していたが、今回でICOを禁止する。」

と述べている。ただ、FSSと中央金融委員会のICO規制に対する意見は多少食い違っており、FSSは「韓国のすべてのICOを全面的に禁止する」と発表した。

一方中央金融委員会はICOを禁止すると発表したが、禁止の範囲まではFSSに同意していないという。つまり、新興企業が立ち上げたICOは禁止の対象になるが、個人投資家にはその対象が及ばないということになる。

これに対し、韓国でも信頼できるニュースを配信している「CryptoKorean(クリプト・コリアン)」は、この両者の意見の食い違いは韓国社会の混乱を招くと主張している。

ちなみに報道によると、金融監督院(FSS)は韓国取引所での証拠金取引も禁止し、マネーロンダリング防止規制の実施を強化することで、仮想通貨の取引を厳重に取り締まりたいと述べているという。

韓国のICO禁止から見る潜在的な背景

中国がICO規制を発表してからわずか数週間で、次は韓国がICOを規制した。実は韓国のICO市場は、中国のICO規制によって一番恩恵を受ける可能性があるとして見られていた。

韓国は仮想通貨市場に最も熱を入れており、最近も韓国で人気のメッセージアプリ「Kakaotalk(カカオトーク)」が100種類を超える仮想通貨取引所を設立すると発表したばかりだった。

ただ、今回の韓国ICO規制で最も影響を受けるのは、韓国の仮想通貨市場ではなく、おそらくイーサリアムである。というのも、イーサリアムの大半は韓国の取引所に集中しており、現地投資家がICOに参加するためにイーサリアムの売買が盛んにおこなわれていたのだ。

こういった要因から今後イーサリアムの需要が大きく減少する可能性があるが、中国が既にICO規制や取引所規制を行っても仮想通貨市場はしっかり回復してくると実証されたので、多くの投資家は再び耐えられると信じているという。

原典:「Breaking – South Korea Bans Initial Coin Offerings: Report

ここまでの内容と考察

中国に続き韓国までもがICOを禁止するということを発表しました。

この報道により、ビットコインをはじめ仮想通貨市場全体の価格が急落しており、時価総額10位の仮想通貨の直近24時間の値動きを見ると、8位のIOTAを除いて軒並み5%前後下落していますね。

中国のICO禁止報道の時に合ったほどの価格下落は起こっていないが、今後も韓国に関する報道は要チェックですね。

また、韓国ICO規制で最も影響を受けると考えられるのが、イーサリアム。イーサリアムはICOに投資する際に使用されており、ICOが規制された場合、イーサリアムの流動性が大きく下落する可能性が高いです。

また、イーサリアムの取引高を見ると、韓国の取引所での取引高が多く、韓国国内で大きな関心が寄せられていることがわかりますね。

韓国においてICOが禁止され、イーサリアム需要が減少すると、イーサリアムの価格は大きく下落する可能性もあります。

ただ、イーサリアムは10月中旬に大きなアップデートが予定されており、期待感も強い。

現在、イーサリアム相場に関しては、プラス要因とマイナス要因が混在しているため、イーサリアムへの投資は一度控えた方が良いかもしれないですね。