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Vitalik Buterin氏「イーサリアムのPlasma ICOは実施しない」
- 2017/10/8
- 仮想通貨の最新ニュース
時価総額第2位のイーサリアム共同設立者であるVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏は、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決するためのPlasma用ICOを実施しないと発表した。
イーサリアムが抱えるインセンティフィケーション問題
イーサリアムは元々スケーラビリティに関して解決しなければならない課題が多く、Coinbaseの共同設立者やゴールドマン・サックスのトレーダーFred Ethsam(フレッド・エッサム)氏のような専門家も絶えず指摘してきた。
中でもEthsam氏は、
「イーサリアムのネットワークが数百万人のユーザーが持つ分散アプリケーション(dapps)にサービスを提供していくなら、現在の100倍はスケーリングを改善する必要がある。」
と主張している。また、
「大規模なアプリケーションはブロックチェーンだけでは正常に機能しない可能性があり、オフチェーンのスケーリング対策も必要になる。現段階の進捗でいえば、イーサリアムは2018年末までにスケーリングに関して100倍の改善ができる目安になっているそうだ。
スケーリングの改善には様々な異なる方法が必要になるので、イーサリアムもいくつかの施策に取り組んでいるらしい。」
とも述べている。
イーサリアムは様々なスケーリング対策に取り組んでおり、今回のPlasma(プラズマ)もその中の1つである。
Plasmaは中期的にイーサリアムのネットワークを拡大させ、匿名氏に特化した仮想通貨「Zcash」で採用されているZK-SNARKを使用してプライバシー対策の改善も期待されるプロジェクトとなっている。
PlasmaはビットコインのLightningネットワークの共同編集者Joseph Poon(ジョセフ・プーン)氏と共同で開発されたスケーリングソリューションで、これが実装されればイーサリアムのスケーラビリティ問題は大きく改善されるという。
オープンソーススケーリングプロジェクト「Raiden」とそのICO
イーサリアムはプロジェクトの資金調達のために様々なICOを予定しており、イーサリアムのスケーリングソリューション「Raiden」もそのうちの1つになる。
Raidenというのは、アメリカの州専用チャネル(State Channel)を利用することによってイーサリアムの決済速度を大幅に向上させるプロジェクト。イーサリアム本体のブロックチェーンに負荷をかけないよう、別レイヤーの構築も予定されており、イーサリアムの送金や取引が1秒以内になるという。
しかしVitalik氏やイーサリアムコミュニティはこのRaiden ICOに反対しているという。というのもこのRaidenの仕組み上、独自のトークンを必要とないためICOのそもそもの目的にミスマッチしているという。
このようなICOに向いていないプロジェクトもあり、なかなかプロジェクトや資金調達が上手く進んでいないという。
さらには基本的にこういったソリューションを開発する開発者に対してのインセンティブはなく、開発者側の意欲も維持しにくいという現実もあるので、Vitalik氏は個人ファンドを設立すると発表した。
またVitalik氏は、
「私はOmiseGO+Kyber Networkの株式100%を、いくつかの団体などに寄付しようと考えている。
AMFやGiveDといった慈善団体や専用ウォレットやチャネルといったイーサリアムの第2層インフラストラクチャー。そして送金など個人間でのやりとりに必要な団体や連携先に寄付したい。
プロジェクトは100%オープンソースでなければいけないし、当たり前だけど良いものでなければならない。ダメなのは利益目的のスキーム(ICOでの資金調達も含む)でのプロジェクトだ。」
とも主張している。
原典:「Vitalik Buterin is Against Open-Source Ethereum Scaling Projects Conducting ICOs」
ここまでの内容と考察
10月に第3段階目のアップデート「Metropolis(メトロポリス)」を控えているイーサリアムは、常に様々なプロジェクトを同時進行させています。
スケーリングソリューションであるPlasmaやRaidenもそのいくつかあるプロジェクトの1つで、出金や送金が遅いと言われているイーサリアムをより実用的に改善してくれると期待されています。
中国や韓国のICO規制によってイーサリアムの流通量も減り、一時的に価格が下落し増したが現在は回復傾向にあると言えますね。
最近はイーサリアムのインフラも進んできており、イーサリアムを実用化する動きも既に始まっているほどです。
今後はメトロポリスやプロジェクトだけでなく、イーサリアムの実用化にも注目しておきたいですね!