中国の中央銀行が「国家主導の仮想通貨を発行する」と発表

中国の中央銀行が「国家主導の仮想通貨を発行する」と発表

中国の仮想通貨研究員たちは、中央銀行PBoC(People’s Bank of China)に出来るだけ早く国家主導の仮想通貨を発行するように促しているという。

中央財務大学の研究院であるHuang Zhen(ファン・ゼン氏)は、PBoCの「Financial News」にこの内容を掲載した。Huang氏は、PBoCの最近のICOとビットコイン取引所の規制に関する調査を行っており、それを踏まえて彼は

「中国の銀行はPBoCの支援を受けながらその銀行独自の仮想通貨をできる限り早く発行したほうが良い」

と述べた。

またHuang氏は

「まもなく訪れる世界的なデジタル化社会において、中国が仮想通貨を含む金融業界で発展していくためには、銀行が独自の仮想通貨を発行していくことが重要だ。我々研究員は早く通貨が発行されるのを期待している。」

とも述べている。

このような国の中央銀行が国営化された仮想通貨を発行することは、既に世界的に研究・実験されていることで、インドではヒンドゥー教の富と繁栄の女神に由来する「Lakshmi(ラクシュミ)」という国営の仮想通貨を発行すると発表している。

また、世界の中央銀行の決済を担当する「国際決済銀行(Bank for International Settlement:以下、BIS)」は、スウェーデンのような非現金主義の国々では仮想通貨の普及が早いだろうと発表している。

またBISは、

「世界の中央銀行はいずれ、その国のビジネスを国営化された仮想通貨で行っていくのかについて選択しなければならなくなるだろう。」

とも述べている。

ちなみに既に中国は昨年の段階で自国の仮想通貨発行について発表しており、Huang氏もPBoCの発表に対して次のようなコメントをしている。

「仮想通貨の研究チームは中央銀行の通貨発行の戦略目標を明確にし、重要な技術を徹底的に研究する必要がある。さらに中央銀行が仮想通貨を導入できるように、可能な限り早くアプリケーションやプラットフォームを作成する必要がある。」

しかしこのような国主導の仮想通貨は、ビットコインのような非集権的な仮想通貨とは完全に異なる。国主導のコインは、仮想通貨本来の特徴である「誰にも管理されない」というのを侵害しているが、将来的なインフレを保つためには必要なものになるだろうと言われている。

原典:「China Should Issue State-Backed Digital Currency ‘As Soon as Possible’: PBoC Researcher

ここまでの内容と考察

世界的な仮想通貨の普及を踏まえて、中国が国主導の仮想通貨の発行準備をしているそうです。

先日ICOとビットコイン取引所の規制を発表した中国は、マイニング事業も規制する?という噂もありました。しかしデジタル化社会への可能性を感じ取っている中国は、中央銀行が管理する国営化された仮想通貨の発行準備をしているそうです。

国営化された仮想通貨の発行は既に多くの国で研究されており、もちろん日本でも日銀主導の仮想通貨発行は昨年から考えられていました。

日本では三菱東京UFJ銀行が独自仮想通貨として「MUFGコイン」の実験を5月に行い、2017年中には実用可能にするという。

引用元:「独自の仮想通貨、三菱UFJ銀行が実験へ(朝日新聞デジタル)

中国もこのような動きに本腰をいれてきたという印象ですね。今後様々な国で国主導の仮想通貨が次々と発行されると思うので、各国の動きに注目しておきましょう!