世界初のブロックチェーン債券がオーストラリアの銀行で発行へ

世界銀行が、世界初となるブロックチェーン債券をオーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)から起債すると発表した。

7つの投資機関から支援を受け、「Bond-i(ボンド-アイ)」と名付けられたこの債券はイーサリアムのプライベートブロックチェーンで発行・管理される。

新興国の経済支援を目的に毎年500億ドル~600億ドル(5兆5000億円~6兆6000億円)の債券を発行している世界銀行は、このBond-iによって、債券の発行や流通コストを削減したいとしている。

また、これまで資本市場の未発達により資金調達が困難だった地域でも、資金調達が可能なモデルケースを作る意図もある。

CBAのゼネラルマネージャーであるJames Wall(ジェームズ・ウォール)氏は、

「あらゆる人々のための機能的なプラットフォームとして、ブロックチェーン技術をどのように活用していくか実証することになるだろう。」

と述べた。

さらに今回の債券発行に向けて8000万ドル(約88億円)もの資金調達を行ったとされる世界銀行の財務部長Arunma Oteh(アルンマ・オテ)氏は、

「ブロックチェーン技術を利用した先進的な債券が、投資家から好評を得ていることは、大変嬉しい。資本市場においてイノベーション技術を活用する価値を理解してもらえたことで、私たちのコンセプトをより実行に移してきたい。」

とコメントしている。

原典:「7 Investors Back World’s First Blockchain Bond, Demand From Institutions

ここまでの内容と考察

世界銀行がブロックチェーン債券を世界で初めて発行するという今回のニュース。

これまで世界銀行は、ネット上で発行・管理を行うe-bond(イーボンド)の開発など、新興国・途上国が資金集めを行いやすい手段の模索を行ってきました。

その中で、今回のブロックチェーン管理は償還業務や利払いの手間を省き、債券管理の効率化に大きく貢献することから、世界が注目する事例と言えるでしょう。

カリフォルニア州のバークレー市でも自治体公債の発行にブロックチェーン技術を採用することが検討されるなど、債券発行にブロックチェーン技術を活用する流れが今後も出てくるのかもしれません。

さらなるブロックチェーン技術の活用に注目していきたいですね。