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分散化が進むイーサリアムと研究者が語るブロックチェーン技術の将来性
- 2018/4/23
- 仮想通貨の最新ニュース
2月に開催されたジェネシスロンドンブロックチェーン会議において、コーネル大学教授のEmin Gün Sirer(エミン・ギュン・サイレール)氏は、研究結果からイーサリアムのブロックチェーンネットワークがビットコインよりも分散化されていることを発表した。
イーサリアムは2015年に発表されて以来、安全性や非中央集化の面において他の主要なブロックチェーンに比べると劣っているのではないかと考えられてきた。
コーネル大学のSirer氏たちが行った調査によると、イーサリアムノードが、ビットコインよりも組織や企業と結びつきが薄いことを明らかにした。
それはつまり、企業よりも個人によって運用されていることを意味している。さらにSirer氏たちは、
「イーサリアムノードは、ビットコインとは異なりあらゆる種類の小さいネットワークから成り立っている。私たちの調べでは、56%のビットコインノードは、情報センターに存在することが分かっている。」
と述べた。
また、イーサリアムの創設者であるVitalik Buterin(ビィタリック・ブテリン)氏は韓国メディアのインタビューに、
「プラズマやシャーディングといった革新的な技術の開発を進めてきているが、イーサリアムにおいてスケーラブルなシステムを構築するには3年~5年かかる。」
と述べている。
シャーディングとは、PoWシステムのコンセンサスアルゴリズムにおいてマイニングプロセスを大幅に最適化できると期待されている技術で、マイナーたちが協力して計算処理を行うので計算能力を失うことがない。
一方、プラズマは階層ツリーを基にした「サイドチェーン技術」のことで、イーサリアムブロックチェーンへの負荷を最小限に抑えることができるとされている。
さらに、Sirer氏は、
「SGXのようなハードウェアベースの技術が、ビットコインやイーサリアムに代表されるパブリックブロックチェーンをサポートしていくことで、1秒間に何千ものトランザクションを処理することも可能になる。」
と話している。
SGXは全てのインテル製品に取り込まれているので、顧客はブロックチェーンに負荷をかけることなく、P2Pでのトランザクションが可能になるのだ。
最後にSirer氏は、
「小売業者から大会社まで企業の数が急速に増加していることは、長い目で見れば、これまでの中央集権化されたデータベースからブロックチェーンへと移行していくことを示していると言えるだろう。
しかし、ブロックチェーンには非常に技術的な問題が存在するので、ブロックチェーン技術を商品化していくためには長期にわたった開発とそのためのリソースが必要だろう」
と主張していた。
原典:「Genesis London Conference: Study Shows Ethereum is More Decentralized Than Bitcoin」
ここまでの内容と考察
イーサリアムのブロックチェーン技術が、ビットコインよりも分散化されているとの調査結果が発表された今回のニュース。
そのイーサリアムのブロックチェーン技術もまだまだ改良の余地がり、これからさらに進化していくでしょう。
ブロックチェーン技術の登場は、バックエンドシステムの構築を再考するには良い機会であるといえますし、社会を変える原動力になってくと思われます。
変わりゆく社会の中心となり得るブロックチェーン技術にますます目が離せませんね!