JPモルガン「ビットコインは進化が必要。ただブロックチェーンは革新的だ」

JP Morgan Chase.Co(JPモルガン・チェース)は、自社システムにブロックチェーン技術を取り入れようと日々試行錯誤しているという。

JPモルガンのブロックチェーン担当リーダーUmar Farooq(ウマー・ファルオク)氏は、銀行のシステム改善にブロックチェーンをどう活用していくのかについて議論を重ねている。

そんなUmar氏は、ニューヨークで行われた「Yahoo Finance All Markets Summit for Crypto」に出席し、ブロックチェーンや仮想通貨に対する意見を述べたという。

Umar氏は

「ブロックチェーンの導入によって、JPモルガンだけでなく銀行業界全体が抱えている問題を改善できる」

と主張している。

さらに最も基本的なブロックチェーンの仕組みを利用したビットコインについて、非常に前向きに捉えているという。

続けてUmar氏は、

「我々はアメリカの大手銀行としてブロックチェーンへの取り組みを前向きに検討しているし、ブロックチェーンの可能性を信じている。

ただ、そのブロックチェーンの仕組みを利用した仮想通貨には問題がある。そういう意味では、仮想通貨も進化していかなければならない」

と述べており、特にKYC(顧客確認)とAML(マネーロンダリング防止法)のルールが現在改善しなければならない問題だと指摘した。

Jamie Dimon氏の発言について

以前ビットコインに対して「詐欺だ」と罵倒したJPモルガンのCEO、Jamie Dimon(ジェイミーダイモン)氏に対してUmar氏は、

「彼の以前の発言は大きな波紋を呼んでいた。ただあの発言は、当時銀行業界が抱えていた仮想通貨に関する問題が反映されていたからだ。」

と述べている。Dimon氏はビットコインに関して批判的な発言をしたが、ブロックチェーンに対してはしていない。

ちなみに仮想通貨が持つKYCやAMLの問題が改善されれば、JPモルガンはビットコイン関連商品の販売を始める計画があるという。

急進的な衝撃

JPモルガンはブロックチェーン技術の取り組みを過去2年間にわたって研究を続けており、当時は世界でもまだ仮想通貨やブロックチェーン技術があまり認識されていなかった。

特にDimon氏はソフトウェア開発共有サービス社「GitHub」と連携をとり、「Quorum(クォーラム)」というイーサリアムベースのプラットフォームを構築しているという。

ブロックチェーン技術を研究し、システムに組み込むことは今後銀行業界に大きな変化をもたらすことになるだろう。

原典:「JPMorgan: Bitcoin Must Evolve, Blockchain’s Not a Threat

ここまでの内容と考察

昨年ビットコインに対して「詐欺だ」と罵倒したJPモルガンのCEO、Jamie氏。

そんなJPモルガンは、実は2年前からブロックチェーン技術の研究を進めており、銀行業界改善のためにも、システムに取り入れようと試みています。

ブロックチェーンの技術は銀行業界だけでなく様々な業界から注目されていますが、ブロックチェーン技術によって最も革新的な変化が期待できるのは、銀行業界でしょう。

Quorumを始め、今後も様々な試みが行われると思いますので、期待したいですね!