ビットコインのマイニングに数千億円規模の企業が参入、個人のマイニングはより困難に

仮想通貨のマイニングとは?

ビットコインの80%がすでにマイニングされ、現在1680万枚のビットコインが市場に出回っている。以前までビットコインのマイニングは個人のマイナーにより行われていたが、最近では数十億ドル規模の企業がマイニング産業に参入し始めている。

マイニングは個人から企業に

従来の通貨は中央集権的に管理・発行され、その供給量は、当局により変更・操作される。例えばアメリカの通貨ドルについては、FRB(米連邦準備制度理事会)によって供給量がコントロールされており、その方法は単に、より多くの紙幣を発行するなどシンプルなものだ。

ただビットコインの供給量には上限があり、仮想通貨のルールは非中央集権的プロトコルにより定められている。フィンランド銀行の調査員はビットコインを「プロトコルにより運営されるもの」と述べている。

これに対し、ビットコインなどの仮想通貨アナリストや批評家たちは、ビットコインの価値を保証するものはないと繰り返し主張しているが、ビットコインの価値は需要と供給という、基本的な経済学的考え方から定まる。世界の市場において、価値は主観的なものであり、市場の需要・供給によって定まるのが常だ。

ではビットコインの価値を保証するものはというと、安全性やコンピュータのパワー、一定の供給量、そして世界的な需要の大きさである。ビットコインの供給量は2100万枚と定められているため、ひとたびその上限に達すると、それ以上のビットコインをマイニングすることはできない。

そして初期のころは、個人のマイナーが低コストでマイニングを行うことができた

ちなみにマイニングの難易度は、ネットワークにつながるコンピュータパワーの大きさに基づいて自動的に定まる。この仕組みにより、大規模なマイニング設備がたとえ無くても、ビットコインネットワークに影響が及ぶことは無いのである。

仮に中国のマイナーたちがマイニングを止めたとしても、供給量やマイニングへの影響は最小限にとどまることとなる。そうなれば逆に個人のマイナーにとってはより参入しやすくなるのだ。

既にマイニングは産業化

しかしビットコインのマイニングは既に産業化している。そして今後もこの流れは続き、日本の技術系企業がビットコインのマイニング事業に参入し、数十億ドルを投入することが予想されている。

現在、マイニング産業はBitmainなど少数の企業による寡占状態となっているが、さらなる大企業が参入することで各マイナーの力は均等に分散されると思われる。

ただいずれにせよ、ビットコインのネットワークを支えているのはコンピュータのパワーである。このネットワークやマイニング産業が成熟するにつれて、ビットコインは主要通貨へと発展し、価値貯蔵の手段や通貨交換に用いられるだろう。

原典:「https://www.ccn.com/80-bitcoin-mined-multi-billion-dollar-firms-now-joining-party/」

ここまでの内容と考察

今回の記事は、ビットコインのマイニングは既に産業化しており、今後も数十億ドル規模の大企業がマイニング事業に参入することが予想されている、というものでした。

既にGMOインターネットやDMM.comがマイニング事業に参入していますが、今後さらなる技術系企業が参入するとなると、より一層個人でマイニングを行うことは難しくなりますね

ただそれでもビットコインにとっては朗報となります。ネットワークを支えるコンピュータのパワーがより一層増し、「通貨」として機能する可能性が高くなるからです。

そしてビットコインが「通貨」として機能すれば、通貨交換や送金の手段として確立するだけでなく、将来の価値を定める金利などもビットコイン内で定まってくるのではないでしょうか。そうなると先物だけでなく、ビットコイン建ての債券などさらなる投資商品が生まれそうですね。

いずれにせよ、仮想通貨業界は2020年の東京五輪までは上昇すると言われています。それまでにビットコインの供給量は上限に達するのか、また現在ありふれている仮想通貨はどれほど淘汰されているのか、など今後の動向には注目していきましょう!