大手仮想通貨取引所「Zaif(ザイフ)」が補償の方針を正式に発表

Zaif事件に、新たな進展があった!

昨日3月1日、国内大手仮想通貨取引所Zaifを運営するテックビューロ社が、今年1月末に発生した不正出金事件について、複数の被害者に対して被害額と同額の仮想通貨を返却する事を発表したのだ。

事の発端は1月10日、同社が利用者に対して発行している「APIキー」と呼ばれるセキュリティキーが何者かにハッキングされ、悪用された。

このハッキングを通して約10人分のアカウントから合計37回に及ぶ不正出金が行われた他、15人分のアカウントから合計137回もの不正注文(売買)があったと同社は公表している。

ハッキング先については海外サーバーを経由しているという事までは発覚したが、それ以上の詳細情報は調査中であるという。

セキュリティ面の脆弱性浮き彫りに

Zaifはこの不正出金事件のみならず、2月に入ってからもトラブルを起こしている。2月16日には、21億BTC(約2200兆円)の誤注文を受けたり、逆に一時的に1BTCあたり0円で販売してしまうなど、セキュリティ面の弱さが問題視されている。

これは何もZaifだけに当てはまる話ではない。最近では記憶に新しい、約580億円分の仮想通貨を流失させた「コインチェック事件」に関しても、同様の指摘があった。

両社ともにセキュリティの弱さを突かれ、結果的に被害者を生む形となってしまったわけだ。

しかし、決定的に異なる点も存在する。それはZaifが公式の取引所である事に加え、返却を現金ではなく仮想通貨で行う点である。

そもそも仮想通貨取引所は、金融庁の審査と認可が下りて初めて「公式」の業者として活動ができる。

それ以外の仮想通貨業者は本来活動できないのだが、金融庁に申請してさえいれば、申請中扱いで「みなし業者」として活動する事は可能となる。

そんな中でコインチェックはまさに「みなし業者」として活動しており、かたやZaifは「公式」の取引所としてお墨付きを得ていた。

それだけに今回の不祥事は、金融庁の審査の質にさえ疑問府を残す一件となってしまった。

また、補償方法に関してもコインチェックとZaifは大きく異なっている。

前述の通り、コインチェックは全てを「現金」で出金可能としたが、今回Zaifは「仮想通貨のまま」返却する方針である。

この方針が吉と出るのか凶と出るのか、この辺りも今後注目の的となりそうだ、

ここまでの内容と考察

コインチェックに引き続き世間を騒がせていた仮想通貨取引所のZaifが、ついに補償内容を発表しました。

被害額はコインチェックほどではありませんでしたが、それでもセキュリティ面の弱さを突かれる事件が連続して発生したとなると、何となく不安な気持ちも強くなってしまいます。

日本は世界に先駆けて様々な仮想通貨関連の法整備も進め、取引も活性化してきていだけに、こうした取引所の諸問題が起きてしまうのもある種仕方のない事なのかもしれません。

これを糧として、2社および他の仮想通貨関連の企業には改善に努めてほしいと願うばかりです。

コインチェック問題も集団訴訟が続いている中で、Zaifが今後どのような形で事件収束に向けて動き出していくのか。その対応に要注目ですね!