ゴールドマンサックス:「もう仮想通貨を無視できない」

ゴールドマンサックスをはじめとする世界的な金融機関は、ついにベンチャーキャピタリストたちが長年予測していた「仮想通貨の世界的な普及」について認識し始めました。

数か月前、ゴールドマンサックスヘッジファンドのある顧客が銀行員に「ビットコインの価格分析」について頼んだという。

それに対しチーフアナリストであるSheba Jafari(シェバ・ジャファリ氏)は

「ビットコインは一時的に1BTC=1,850ドル(約20万円)前後にまで下落するが、その波が終われば1BTC=3,915ドル(約42万円)にまで上がるだろう」

と述べていたそうです。もしこの予想が正しければ、現在40万を突破したビットコインはもう少し上昇するかもしれません。

現在ゴールドマンサックスは機関投資家に対し、仮想通貨に関するアドバイスなどもしています。アナリストのRobert D.Boroujerdi(ロバート・ボージェルディ氏)は

「全暗号通貨の時価総額が記録的水準に達すると、さすがの機関投資家たちも仮想通貨を無視できなくなってくる。現在は総額1,200億ドル(約13兆円)になったので、もう考えざるおえない。」

と述べています。

ゴールドマンサックスの報告書によると、2017年だけでICOによる投資が20億ドル(約2,000億円)を超えており、エンジェル(シード)投資家の資金量を上回っているという。

※エンジェル投資家(ビジネスエンジェル、シード投資家ともいう)とは、裕福な個人が設立間もない企業に多額の資金を供給することを言います。

さらにBoroujerdi氏は

「たとえ仮想通貨投資のメリットを信じようが信じまいが「ドル」に影響があるのは確かで、特にICOやビジネスエンジェル(シード)といった資金調達方法が世界的に流行しているのは明らかである。」

とも述べています。
現在、機関投資家たちは「仮想通貨の不確実な規制環境」に直面しています。

最近までICOはほとんど規制されていませんでしたが、米国証券取引委員会(SEC)がいくつかのICOトークンは「有価証券」であり、そうならば連邦証券法の対象であるという判決を下したという。

新規事業のコンサルや資金調達の手伝いを行う「Boost VC」のAdam Draper(アダム・ドレイパー氏)は、SECが証券取引法をいつ、どのタイミングで開始するかが不明だが、「DAO」や「DAOに関連するプロジェクト」はSECに狙われやすいと述べています。

これに伴って、他の国々でもICOに対する認識を強化しはじめ、中国国家銀行顧問は最近「ICOには適度な規制が必要だ」と述べています。

さらに先週、シンガポール金融通貨局(MAS)は「トークン配布に対しての規制を開始する」と発表していました。

原典:「Goldman Sachs: Cryptocurrencies Getting ‘Harder to Ignore’

ここまでの内容と考察

8月に入り、大きく上昇したビットコインは現在1BTC=3,641ドル(約39万円)を推移しており、一時は40万も超えた。

上昇したのはビットコインだけではなく、アルトコインも軒並み上昇している。

そんな仮想通貨は日々新たなコインがICOで誕生し、今では1,000種類以上のコインがあるとも言われている。現在日本国内にはICOに関する規制はないが、世界の影響を受けて今後いくつかの規制が入るかもしれない。

特に最近になって国内ICOの動きが盛んになってきており、日本初のICOプラットフォーム「COMSA」がこの動きに拍車をかけている。

とはいえ、ゴールドマンサックスのような世界的な金融機関でもビットコイン投資の分析を行っていることを踏まると、やはりビットコインの勢いはしばらく続くとも言える。

国内でも順次ビットコイン決済導入店が増えてきたが、やはり海外の方が一足早く普及している。現在40万円近くを推移しているビットコインは、「実用的な通貨」としても「投資対象」としても魅力を持っている。

やはり1BTC=55万円くらいはいってしまうのではないだろうか。