ハードフォークに近づき、イーサリアムは需要が急増

今週初め、Microsoft社がイーサリアムに関するブロックチェーンのフレームワークである”Coco Framework”をリリースすると発表した後、イーサリアム財団は”Metropolis”という新しいハードフォークを実行する計画を明らかにした。

イーサリアムのハードフォークを9月までに実行する計画を発表すると、イーサリアムの時価総額が30億ドル(約3,300億円)増加し、イーサリアムのトークンであるEtherの価格は2日間で約287ドル(約31,570円)から345ドル(約37,950円)に急騰した。

Etherの取引量も大幅に増加し、一日6億ドル(約660億円)からなんと、22億ドル(約2,420億円)に増加した。

イーサリアムの一日の取引量は、ビットコインの取引量である26億ドル(約2,860億円)に近い唯一の仮想通貨である。一方、ビットコインとイーサリアムの背後にある3番目に大きな暗号通貨であるビットコインキャッシュは、イーサリアムの半分以下で、一日12億ドル(約132万円)の取引量である。

また、ビットコインは、ハードフォーク実行に関する争いがあり、それがチェーン分岐につながります。しかし、イーサリアムのハードフォークの大部分は、ネットワークのセキュリティ、柔軟性、適応性を大幅に向上させるために実施されている。

実際、これまであったイーサリアムのハードフォークは、イーサリアムクラシックの開発者が率いて行われたハードフォークを除いて、コミュニティによってサポートされており、論争は起こっていない。

したがって、イーサリアムのハードフォークは既存のイーサリアムプロトコルに対して、適切な更新として受け入れられる。

一方、ビットコインのハードフォーク実行は、市場の不確実性が増したり、投資家の信頼感が低下したりするので、ビットコインの価格の低下を引き起こします。

イーサリアム財団の”Metropolis”ハードフォークアップデートに対するコミュニティの反応は、Etherの価格動向に明らかに影響している。

イーサリアムの共同設立者Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン氏)は、 “Hard Forks, Soft Forks, Defaults and Coercion,”と題したブログ記事で、

「すべてのハードフォークが本質的な論争は発生していない。」

と述べ、さらに、

「ハードフォークは、ソフトフォークよりもブロックチェーンプロトコルへのよりクリーンでより完全な更新を可能にする」

ということを強調している。

彼のブログには以下のように記されている。

『これらの議論にもかかわらず、ソフトフォークがハードフォークよりも「強制的なもの」として評価されているのは、ハードフォークがユーザーに「ソフトウェアアップデートをインストールさせること」と似たものに感じるためである。一方、ソフトフォークでは、ユーザーは何もする必要はない。

しかし、この直感は間違っている。

問題は、ユーザーが、納得していないプロトコルのルール変更を、無理やり受け入れさせられているかどうかの問題である。』

新しく導入されたイーサリアムのハードフォークは、イーサリアムネットワークの開発者、ユーザー、ビジネスに4つの大きな利点を提供すると期待されている。

GASの調整やzk-SNARKの統合、マスキングまたはアカウントアブストラクションを行うことで、”Metropolis”のイーサリアムネットワークはよりプライバシーの保護が厳重、かつ効率的で柔軟になることが予想される。

「”Metropolis”では、いわゆるzk-SNARKの基礎が構築されています。これらの「ゼロ知識証明」(http://cryptocurrencymagazine.com/zero-knowledge-proof)により、イーサリアムブロックチェーンは将来、よりプライバシー保護を厳重にしたトランザクションを実行できる。

イーサリアムの開発者であるButerin(ブテリン氏)とWilcox(ウィルコックス氏)がZcashに匿名で協力しているように、イーサリアムとZcashとの接近は驚くべきことではない」

と Josh Breslauer(ジョッシュ・ブレスラー氏)は指摘する。

また、イーサリアムの価格と時価総額を引き上げる可能性のあるその他の要因には、11月のSegWit2xハードフォークの不確実性が挙げられる。

韓国のビットコイン投資家のEtherに対する需要増が見込めるのである。

原典:「Ethereum Closes on $350, Demand Surges as Metropolis Hard Fork Nears

ここまでの内容と考察

今回の”Metropolis”ハードフォークによって、開発が1段階進みます。

イーサリアムの開発は、Frontier、Homestead、Metropolis、Serenityの4段階を予定されており、第三段階の”Metropolis”が9月に実装される予定なのです。

ここまでの開発の軌跡がよくわからないという方もいらっしゃると思いますので、簡単にみていきましょう。

まず、第一段階の“Frontier”で、イーサリアムの初期バージョンがリリースされました。このリリースが、イーサリアムの基本となっています。

第二段階”Homestead”では、ネットワークの安定性やユーザビリティの向上しました。この時点で、取引の高速化が可能になったことで、大企業レベルがイーサリアムを利用できるようになりました。

そして、第三段階が今回の“Metropolis”です。
“Metropolis”ハードフォークが行われることで、匿名性が向上し、イーサリアムの中核技術であるスマートコントラクトが強化されることにより、多額の資金が必要なビジネスにも利用しやすくなるというのが、今回の記事ですよね。

イーサリアムには、名だたる大企業が参加しています。”Homestead”の後、「 Enterprise Ethereum Alliance(EEF)」というイーサリアムを利用したシステム開発を行うという声明がが発表されました。EEFには100社以上の企業が参加しています。参加企業は、マイクロソフトやJPモルガン、インテルなどの世界的企業だけでなく、三菱東京UFJ銀行です。

このように、イーサリアムのプロジェクトは、アップデートが4段階中3段階まで着実に進み、名だたる大企業までもが推進しているプロジェクトなのです!
時価総額や取引量でビットコインを抜く可能性があるかもしれませんね!

ここまでの内容についてより詳しく説明したページはこちら!