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イーサリアムメトロポリス、遂にテストアップデートが確認される
- 2017/9/30
- 仮想通貨の最新ニュース
イーサリアムの第3段階のハードフォークであるメトロポリスでは、アップデートにより「匿名性」が向上する。
メトロポリスは2ステップあり、1ステップ目のByzantium(ビザンチウム)が、最近テスト環境で公開され、Zcashとの連携が確認された。
この発表は、イーサリアムで使用されているプログラミング言語である「Solidity」の共同制作者であるChristian Reitweissner(クリスチャン・ライトウェイスナー)氏のReddit(世界最大級の掲示板サイト)に掲載されている。
クリスチャン氏は下のように発表した。
「現在、動作の検証をしているのは、Zcashネットワーク上の実際の取引履歴の中でもzkSNARK(ゼロ知識証明)の部分である。
私は1月ごろの取引が記録されているデータを引き出した。誰がトランザクションを作成したのか、その中にどれだけの金額が送られているのかは分からないが、その取引情報が正確であることは間違いない。」
今回のメトロポリスハードフォークにより、イーサリアムは匿名性の高い仮想通貨として有名なZcashと連携し、Zcacshに導入されている「zkSNARK」というシステムをイーサリアム内で実装する。
「zkSNARK」とは、「データの内容を確認することなく、その情報が正しいことを証明するシステム」である。データが有効であることを証明するために使用される。
普通、データの正誤を確認するには、その内容と正確な情報とを照らし合わせることで確認することができる。
しかし、「zkSNARK」を導入することで、取引の内容確認せずにその正誤を明確にすることができるため、匿名性が高まる。
メトロポリスのステップ1であるビザンチウムは、テストに過ぎないが、Zcashと他の仮想通貨が連携したのは初めての例であり、非常に大きな出来事と言える。
取引手数料の問題は解決される?
一方、Bas van Kervel(バス・バン・ケルベル)氏は、
「zkSNARKは、イーサリアムで導入されている「スマートコントラクト」上で動作させると、非常に重い作業になるため、最適化が必要である。事実、テストネット上で今回検証された取引を確認すると、取引手数料が莫大になっている。」
と発言している。テスト検証の取引手数料を確認すると、莫大な量となっており、メトロポリスを実装すると、ユーザーにとって不利益になるのではないかという心配が出ている。
ただ、この問題に関しては、開発にかかわっているクリスチャン氏が、zkSNARKに関する取引を1つのイーサリアム取引にまとめられること明らかにしている。
クリスチャン氏は
「zkSNARKの検証コストは、zkSNARKが実装された際に必要となる計算量とはほとんど関係ない。つまり、現在テスト環境で10,000個の取引に分かれている取引は、実際1つのイーサリアム取引にまとめることができる。」
と反論。
つまり、クリスチャン氏によると、テスト検証中に莫大な取引手数料がかかっているが、これは、テスト検証中だけであり、実装されれば手数料は今までと変わらないということである。
また、イーサリアムのハードフォークであるメトロポリスにおいて、匿名性の向上以外にも様々な機能がアップデートされる。
例えば、イーサリアムのスマートコントラクトの利用簡易化や、セキュリティの向上、マイニング難易度の向上などがある。
原典:「Ethereum’s Byzantium Testnet Verified Part of a Zcash Transaction」
ここまでの内容と考察
イーサリアムのハードフォーク全4段階中、3段階目であるメトロポリスが、10月中旬(現在のところ10月18日が有力であると言われている)に実施される予定です。
このハードフォークであるメトロポリスで注目されているアップデートが4つあります。
その一つが、本文にある「匿名性の向上」です。内容も難しく、世間一般にはあまり注目されていませんが、これは仮想通貨が普及していく上で非常に重要なアップデート。
特にイーサリアムは、スマートコントラクト「匿名性の向上」(仮想通貨のやり取りした履歴だけでなく、契約内容の記録や契約の執行が自動で行われるシステム)という、より匿名性が求められるシステムを採用しています。
このアップデートにより、イーサリアムの普及はよりいっそう進むであろうし、ZcashのzkSNARKが他の仮想通貨に導入されるようになるのではないでしょうか。
また、イーサリアムに注目度が増してきており、日本のKDDIが携帯電話事業にイーサリアムのスマートコントラクトを利用しようと、実証実験を開始しています。
国内初、「Enterprise Ethereum (エンタープライズ イーサリアム)」を活用したブロックチェーン「スマートコントラクト」の実証実験を開始
時価総額第一位のビットコインだけでなく、時価総額第二位のイーサリアムにも大きな注目が今後集まるのではないでしょうか。