仮想通貨の取引量は減少しても、価格は上昇?

仮想通貨は取引量が減少しているにもかかわらず、価格は上昇?

今週に入り、時価総額ランキング上位の仮想通貨価格が上昇している。

仮想通貨トップ2のビットコインとイーサリアムは、週末から続く上昇トレンドが続いており、今週に入り2%の上昇を見せている。

それに伴い仮想通貨全体の市場規模も、比例して上昇し、1,300億ドル(約14兆3,000億円)弱となった。

しかし一方で、過去24時間の仮想通貨の取引量はわずか22億5,000万ドル(約2475億円)で、平均より7億5,000万ドル(約825億円)ほど下回っている。

加えて、先週末に遡ると、一日の仮想通貨の取引量は10億ドル(約1,100億円)を超えていない。これは7月30日以来の取引量である。

昨日のニュース記事で報告したように、仮想通貨の取引量は、一日の取引量が約40億ドル(約4,400億円)であるApple社の株式をすぐに上回ると予想されているが、ここ数日は低調な値を示している。

ビットコインは上昇トレンド

ビットコインの価格は、先週3,800ドル(約41万8,000円)ラインを超える動きを見せたが、一旦下落し月曜日の早朝には3,682ドル(約40万5,020円)で取引されていた。

それが、昨日、3,775ドル(約41万5,250円)に急上昇。最終的には、3,799ドル(約41万7,890円)に達した。この急騰により、ビットコインは現在624億ドル(約6兆8,640億円)の時価総額を有している。

近い将来のビットコインの動向については、アナリストによって意見が異なっているが、マレーシアがデジタル通貨の使用を合法化することは、ビットコインの長期的な可能性を示す一つの指標である。

これはビットコイン経済にとってポジティブなニュースである。

イーサリアム価格が再度300ドルに近づく

イーサリアムは、ビットコインと同様、わずかながら価格が上昇した。投資家の心理的に重要な指標となる300ドル(約3万3,000円)の価格に近づいている。

昨日、イーサリアム価格は2%上昇し、287ドル(約3万1,570円)、イーサリアムの時価総額は272億ドル(約2兆9,920億円)である。

アルトコイン価格は安定

アルトコイン市場は、比較的安定した動きで今週に入った。時価総額ランキング上位10の仮想通貨価格をみると、1つの仮想通貨だけが大きな変動をしたが、それ以外はほぼ横ばいである。

ビットコインキャッシュの価格は、ビットコインとイーサリアムを反映し、2%高の429ドル(約4万7,190万円)、リップル、ライトコイン、NEM、Moneroはすべて約1.5%増加、IOTAは4%増加した。

DASHとNEOは最も大きな価格変動を示した時価総額上位の仮想通貨である。

先週の急騰後、DASHの価格は約4%低下し、価格が下落する唯一のランキングトップ25の仮想通貨であった。

一方、NEOは11%近く価格が上昇し、トップ50の仮想通貨の中で最大の成長を見せた。

これにより、約11億ドル(約1,210億円)も時価総額が増加し、仮想通貨時価総額ランキングで10位まで上がっている。

原典:「Bitcoin, Ethereum Prices Post Minor Gains Despite Low Trading Volume

ここまでの内容と考察

9月に入り急落した仮想通貨市場が、徐々にではあるが回復してきています。

中国におけるICO禁止や取引所停止、JPモルガンCEOの「ビットコインは詐欺」発言などにより、9月は仮想通貨市場が大きく冷え込みました。

7月には、ビットコイン分裂問題に端を発した仮想通貨価格の急落したものの、8月に入るとビットコインが過去最高値を更新するなど仮想通貨市場は大きく盛り上がりました。

8月の盛り上がりの価格調整が9月に起こったと考えると、10月以降仮想通貨市場がこのまま上昇トレンドを維持することが期待されますね。

本文にあるように仮想通貨の取引量が減少していることは懸念すべき点ではあり、少し慎重にならざるを得ませんが、

大手旅行会社HISへの代金支払いにビットコインが使用できるようになったり、イーサリアムに新機能を加える「メトロポリス」というハードフォークが実施されたりするなど、仮想通貨への期待感はまだまだ高いです。