ノーベル賞経済学者が「仮想通貨市場はバブルだ!」と批判

ノーベル賞経済学者のリチャード・セイラー氏は最近、仮想通貨市場について大きく興味を示している。

彼の分析によれば、いつになるかはわからないが、いずれ今の仮想通貨市場はバブル崩壊を迎える可能性があるという。

行動経済学の権威であるセイラー氏は、現在の市場がゼロ金利である事などを踏まえると、

「債券市場にバブルがあるのではないか」

と再三主張してきた。しかしここに来て彼は、

「今は債券市場以上に仮想通貨市場の方がバブルである」

と主張を変えたのだ。

その理由としてセイラー氏は、仮想通貨市場の非合理性を指摘している。例えば最近では、企業名に「ブロックチェーン」という文言を加えただけで、売り上げが約3倍に伸びた企業も実際に存在している。

彼はこのような事例を引き合いに出し、仮想通貨市場が明らかにおかしな動きになっている事を批判したのだ。

セイラー氏は事前にいつバブルが発生するかの予測は行っていないものの、これまで実際に発生したことのあるバブル崩壊から共通項を見出し、これからの仮想通貨バブル崩壊に備えるよう警鐘を鳴らしている。

彼曰く、市場が不合理な状態に陥れば、ほどなくして良くない事(バブル崩壊)が起きるという。

先日、ビットコインの価格が約19,200ドル(約211万2,000円)から一気に約10,948ドル(約120万4,280円)まで暴落した様子を見て彼は、

「通常の合理的な市場では、このような事は絶対に起こりえない。仮想通貨市場はとても危険な状況になってきている。」

と述べ、加えて

「それに比べれば株式市場は昼寝でもしているのではないかという位に平穏だ。」

と仮想通貨市場を揶揄した。

仮想通貨市場に懸念を抱いているノーベル賞受賞者はセイラー氏だけではない。2001年に経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ氏は、

「未だに世間はビットコインの有用な利用方法を見い出せていないし、ほどなくして仮想通貨は規制されるのではないか」

と考えているという。

2013年に同賞を受賞したロバート・シラー氏は、

「仮想通貨市場はなくなりこそしないが、いずれ崩壊する危険性がある」

と予測している。

仮想通貨市場が停滞している今、経済学者などからの批判の声が目立つようになってきた。

ただ、誰もいつバブルが崩壊するとは明言する人がいない。

どこまで仮想通貨市場の価格上昇は続くのであろうか。今後の上昇に注目である。

原典:「“Bitcoin and Its Sisters” Seem like a Bubble, Says Nobel Prize Winner Richard Thaler