仮想通貨の取引所「Binance」を運営するザオ氏、中国の今後について語る

インタビュー:中国のICO禁止に関して、中国の取引所「Binance」を運営するシャオ氏に聞きました!

中国の取引所「Binance」とは?

取引所手数料0%を打ち出し、他の取引所と差別化を図っている中国の大手取引所「Binance」が、最近、第1四半期の業績を発表した。

発表資料では、1.5万ドルに相当する986,000枚の「Binanceコイン(BNB)」を売却したことを公表。これは会社全体の利益の20%に上るという。

今回の発表で、市場に出ているBinanceコインの50%を買い戻すことを明記。これは1億枚のBNBトークンに相当する。

ザオ氏は、「中国の取り締まりが強化されたため、我々がICOプロジェクトを積極的に進めることには大きな壁がある」と付け加えている。今後、中国の規制がさらに強まれば、企業が発行した仮想通貨を払い戻し、中国人からの購入をブロックしなければいけない。

第1四半期の利益の半分はICOの買い戻しに利用されるが残りの半分は事業投資に使われるという。

今回は、中国の規制に関する将来予測や中国の取引所が今後どうなるのかということについてザオ氏にインタビューを行った。

ザオ氏へ仮想通貨についてのインタビュー

インタビュワー:どのように仮想通貨について知りましたか?

中国の「Light Speed Ventures」でディレクターを務めていたロン・カオ氏から誘われてビットコインの世界に入りました。それが、2013年初め。数年前からボビー・リー氏を知っていました。その時、ボビーは中国の仮想通貨取引所「BTCChina」に参画したのですが、ちょうどそのころ私もビットコインを調べ、8年前まで勤めていたスタートアップを辞めたのです。

仮想通貨にはいくつかの欠点がありますが、それを補ってあまりある大きな利点があります。バンクーバー、モントリオール、東京、ニューヨーク、上海、香港など世界各地に住んでいて、仕事をしていたこともあり、仮想通貨のボーダーレスな部分が好きでした。仮想通貨は真の国際通貨と言えます。

インタビュワー:なぜ中国で仮想通貨取引所「Binance」を立ち上げたのですか?

私は仮想通貨取引所に関するアイデアを2013年から持っていましたが、2タイプの仮想通貨の取引が必要だと確信しています。一つが相対での取引です。もう一つがBinanceが行っている、ネット上での取引です。ネット上での取引は世界中が繋がっており、自由な取引が可能です。

Blockchain.infoに参加した際、この話で盛り上がりましたし、このビジョンは何年も変わっていません。

しかし、2013年には取引所で売買するだけの種類の仮想通貨がなかったのです。私たちは公平な取引所であらゆる人々が仮想通貨を取引できるようにすることをビジョンとしています。

2015年にOKCoinを去ったときは、仮想通貨の取引所設立にはまだ早すぎると判断しましたが、今は仮想通貨の公正な取引を目指せるところにいます。

インタビュワー:中国の仮想通貨に関する規制強化は、どのように影響がありましたか?

大きな影響を中国の仮想通貨市場に与えました。多くの中国の取引所は停止しましたが、私たちは中国国外で取引所登録をしていましたし、中国外にサーバーを持っていました。

だから、中国の仮想通貨規制があっても、あまり影響を受けなかっただけでなく、「競争」が少なくなったので、むしろ恩恵を受けたと言っても良いでしょう。

インタビュワー:中国政府の仮想通貨取引所停止のニュースがで出たときどう思いましたか?

公式のニュースが出るずっと前から噂があったので、事前に準備していました。だからすぐに対応することができました。

それでもニュースが出て、実際に取引所が閉鎖されたときは驚きましたね。

今後の中国の動きについて

インタビュワー:最近の中国の仮想通貨に関する規制緩和が進んでいるように、ICOに関しても中国は規制をやわらげてくるでしょうか?

今後の中国政府の仮想通貨に関する規制変更を予測することはできません。しかし、人々が仮想通貨の規制に合わせて場所を移動していくでしょう。仮想通貨投資家は規制が強くないところに行きます。

多くの強力なプロジェクト、才能のある人、広大な資金が、仮想通貨に関する規制が厳しい国から逃げていくでしょう。

したがって、仮想通貨に関してスマートな対応をする国は仮想通貨にかかわる人々を引き付けます。

インタビュワー:今後、中国は仮想通貨取引所へのライセンス付与で取引所の再開を認めるのでしょうか?

中国政府が仮想通貨に関してどのような規制を行うのかは予測することは難しいです。一つの国の政府と言っても、多くの異なる部門と人々で構成されています。各人がそれぞれ仮想通貨に関して独自の見解を持っていますので、予期することは難しいですね。

インタビュワー:cryptocurrency市場はバブルだと思いますか?

いいえ、絶対にありません。私たちはこれまでも仮想通貨が強い価格下落の圧力に耐えてきたのを見てきました。このような中国政府からの圧力に直面していれば企業の株式であれば価値がゼロになってもおかしくないでしょう。それでも仮想通貨価格が上昇を続けているという事実は、仮想通貨がバブルではないという証拠です。

しかし一方で、いくつかのICOプロジェクトが過剰な投資を集めているようですが、ICOの個々のプロジェクトを慎重に選択する必要があります。

インタビュワー:ビットコインゴールドとSegWit2xのハードフォークにBinanceはどのように対処していきますか?

トレーダーが常に仮想通貨を預けてくれていると考えています。トレーダーの資産である仮想通貨を損なうことはありません。慎重に対処していく予定です。

マイナーはビットコインの流動性に大きな影響を与えますが、取引所運営を行っている私たちはビットコインのハードフォークに関して影響を与えることができません。

投資家がビットコインのハードフォークに十分な興味があれば、取引ペアをオンにします。

なぜならば、ハードフォークが良い悪いという考えを持っておらず、小さなブロックや大きなブロックというのはそれほど重要ではありません。

ただ、ハードフォークによって取引スピードが高速になるということでしたら、歓迎します。

インタビュワー:何か他にこれを見ている読者の方に言いたいことはありますか?

多くの人々は、Binaneceが中国の仮想通貨取引所であると誤解していますがそうではありません。私たちは現時点では中国国内で仮想通貨取引所のサービスしていません。

今後も、世界中に新しいオフィスを展開していく予定であり、国際的な仮想通貨取引所をめざしていきます。

原典:「Interview: Bitcoin Exchange Binance on China’s ICO Ban, Burning $1.5 Million in Tokens & More Francisco Memoria on 29/10/2017