仮想通貨に銀行が参入?日本口座と世界の違いやメリットを解説
- 2018/4/27
- 仮想通貨の基本情報
あの企業も?仮想通貨に対する銀行のうごき
仮想通貨は、新しい技術によってお金の流れを急激に変えています。
しかし、その安定性は不確実であり、有識者でも意見が分かれることがしばしば。
世界各国で仮想通貨に関する規制が行われるというニュースもよく耳にしますよね。
ただ、各国の銀行が仮想通貨の将来性を見据えて、様々な事業を立ち上げているのは確かです。
そこで今回は、仮想通貨業界への銀行のうごきを徹底的に解説していきます!
目次
仮想通貨に銀行が参入!日本企業の新事業
仮想通貨業界に、日本の大手銀行が参入しはじめたのはご存知でしょうか?
仮想通貨で売買できる世の中になると、銀行は手数料を受け取ることができず、経営が成り立たなくなってしまいますよね。
そこで銀行が考えたのが、仮想通貨の発行です。
銀行が仮想通貨を発行することで、送金が簡単になりますし、ブロックチェーン技術を使えば取引をビッグデータとして保有できるというメリットもあります。
では、どの銀行がどのような仮想通貨を発行するのでしょうか?
MUFGコインとは?
MUFGコインと聞けば、どこの銀行かはもうお分かりですよね!
そう、三菱UFJ銀行です!
MUFGコインは三菱UFJフィナンシャルグループが独自に発行する予定の仮想通貨。
「1MUFGコイン=約1円」という若干の変動性をもち、仮想通貨のメリットである手数料の低さと、即時送金が可能になります。
何故、「1MUFGコイン=1円」という固定ではなく、「1MUFGコイン=約1円」なのか気になった方もいるかと思います。
その理由は、電子マネーとの違いにあります。
「1MUFGコイン=1円」という完全固定にすると、法的に電子マネーという扱いになり、100万円超の送金ができません。
ここで「1MUFGコイン=約1円」とすれば、電子マネーという扱いにはならないので高額の送金も可能になるというわけです。
つまり、MUFGコインは円に連動する安定性と、高額送金機能を兼ね備えた仮想通貨だと言えます。
このように成長を続ける仮想通貨業界ですが、新たに同じような特性をもつ仮想通貨が他の企業から発行されるというのです!
一体どのような仮想通貨なのでしょうか?
銀行が連合でつくる!Jコイン
2017年9月に発表されたJコイン。
こちらは、みずほ銀行とゆうちょ銀行、地方銀行が連動して発行しようとしている仮想通貨です。
「MUFGコインと何が違うの?」と思う方もいますよね。
JコインとMUFGコインは日本円に準ずる動きをするという点では同じですが、完全固定と変動という違いがあります。
MUFGコインは「1MUFGコイン=約1円」でしたが、Jコインは完全固定で日本円と同じ動きをします。
先に述べたように、円と完全固定で値動きするJコインは電子マネーと同じ機能を持つのです。
つまり、Jコインを買うということは、SUICAやnanacoといった電子マネーをもつことと同じ。
仮想通貨に抵抗がある人でも、このJコインなら電子マネーと同じ機能なので受け入れやすくなりますね!
さらに、Jコインは電子マネーにはない機能もあります。
それはブロックチェーン技術を使用した強固なセキュリティと、手数料がかからない送金技術です。
Jコインが普及すれば、キャッシュレス決済が進みますし、個人間の送金も簡単になりますね。
MUFGコインやJコインなど、日本では大企業が仮想通貨発行に力を入れていますが、世界の銀行はどのような取り組みをしているのでしょうか?
アジアはどう動く?民間企業と中央銀行
仮想通貨売買を規制するニュースなど、ネガティブな情報が多いアジア地域。
仮想通貨を完全に禁止するという方針なのでしょうか?
中国の中央銀行
仮想通貨やICOの規制に力をいれている中国政府。
しかし、ブロックチェーン技術やデジタル通貨の開発を進めていることが明らかになりました。
それを主導しているのは、中央銀行の科学技術のリーダーであるZhang Yiefeng (ツァン・イフェング)氏が率いる、バンクノートブロックチェーン技術研究所。
中央銀行が通貨のデジタル化をして、その利便性やセキュリティを担保しようとしています。
日本の銀行が開発をすすめるJコイン等と同じ目的なのが分かりますね!
次に、お隣の韓国ではどのような取り組みがあるのでしょうか?
韓国の新韓銀行
韓国では、銀行が仮想通貨を発行するという情報はありません。
むしろ韓国では中国と同じように政府の規制がかかり、大手金融機関の国民銀行は仮想通貨取引に関わるサービスを一切行わないとしました。
そんな中、韓国の大手銀行である新韓銀行は、仮想通貨取引のサポートを発表。
韓国では仮想通貨規制に向かう風潮と、取り入れていこうとする風潮が分かれているようですね。
では、多国籍企業が集まるシンガポールはどうでしょうか?
シンガポールの中央銀行
シンガポールでは仮想通貨に対して強い規制はない、というのが今の状態です。
中央銀行を統括するシンガポール副首相Tharman Shanmugaratnam氏は、仮想通貨が実験的なものであるとして、仮想通貨取引を禁止する理由はないとしました。
また、中央銀行は仮想通貨やブロックチェーン技術を研究している段階にあり、「仮想通貨が経済的・社会的に有益となる可能性がある」とも述べています。
その将来性が認められればシンガポールの銀行も仮想通貨の発行をする可能性はゼロではありませんね!
アジア諸国の銀行は規制と緩和の間で揺らいでいるようですが、欧米の国々の対応も気になります。
欧米の民間企業もリップルなどの暗号通貨に注目
欧米諸国では、仮想通貨の是非はあるものの、強い規制はされていないようです。
むしろ、リップルなどの仮想通貨に対して好印象の様子。
では、具体的にどのような事業が考えられているのでしょうか?
スペインのサンタンデール銀行
スペインの大手、サンタンデール銀行はリップルのxCurrentを利用した「ワン・ペイFX」を始めました。
これは国際送金のコスト削減や、時間の短縮が可能となるサービスで、スペイン、イギリス、ブラジル、ポーランドに口座をもつ顧客から利用を開始しました。
更にサンタンデール銀行のアナ・ボティン執行会長は、2018年夏までにより多くの国に即時送金サービスを拡大していくことを考えているようです。
なんと、サンタンデール銀行とリップルは2016年から社員向けに試験開始をしており、日本で「ワン・ペイFX」が使えるようになるかもしれないですね!
スペインではすでにサービスが開始していますが、金融大国アメリカでは何が起こっているのでしょうか?
アメリカのJPモルガン
アメリカの最大手銀行「JPモルガン」はブロックチェーン技術を利用した自社システムを開発しようとしています。
JPモルガンのブロックチェーン担当リーダーUmar Farooq(ウマー・ファルオク)氏はブロックチェーン技術の将来性を確信しており、「ブロックチェーンの導入によって、JPモルガンだけでなく銀行業界全体が抱えている問題を改善できる」と発言しています。
また、その仕組みを利用したビットコインをはじめとする仮想通貨に対しても前向きに考えている様子。
同社のCEO、Jamie Dimon(ジェイミーダイモン)氏が以前ビットコインに対して「詐欺だ」と発言した件が記憶に新しいですが、現在は会社全体でブロックチェーン技術の研究を進めているようですね。
では、そんなアメリカが敵とするロシアはどのような動きをしているのでしょうか?
ロシアのガズプロム銀行
ロシアの国営銀行である「ガズプロム銀行」は、スイスで仮想通貨取引を試験運用することを発表しました。
ただ、実際にガズプロム銀行が仮想通貨を発行する具体的な案はまとまっておらず、調査段階にあるようです。
また、2018年1月にロシアの大手銀行「スバー銀行」もスイスで仮想通貨取引所を開く予定。
世界的に広まってきている仮想通貨やブロックチェーン技術の活用に遅れをとらないよう、国営銀行も民間銀行も新規事業展開を進めているようですね。
最後に
いかがでしたか?
日本では民間企業が仮想通貨を発行して、電子マネーのような利便性を目指しているようです。
アジアでは仮想通貨取引を規制しつつ、自国でブロックチェーン技術を慎重に研究している姿勢は日本と変わらず。
スペインの銀行はリップルの仕組みを使ったサービスを開始し、スイスでは仮想通貨に関して寛容な受け入れをしていますね。
仮想通貨が普及したら、銀行が今まで得ていた手数料で利益が出なくなってしまいます。
そのため、リスクを考えつつも新たな事業を開始したいというのは、どの銀行も考えているのでしょう。
今後も世界の銀行がどのように仮想通貨やブロックチェーン技術を利用していくのか目が離せませんね!
ちなみに当サイトには世界が注目している「ブロックチェーン技術」についてわかりやすく解説している記事もありますので興味がある方は是非チェックしてみてくださいね!
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