- Home
- ビットコイン分裂とは?8月の騒動と11月のニュースを解説!
ビットコイン分裂とは?8月の騒動と11月のニュースを解説!
- 2017/9/26
- ビットコインについて
知っておきたいビットコインの分裂騒動とは?
8月1日、ビットコインがある分岐点を迎えました。
ビットコインが分裂したという報道を耳にした方も多いのではないでしょうか。
「分裂ってことは、ビットコインが危ないってこと?」
という疑問を持たれているかもしれません。
「分裂」というと悪い印象を持っている方が多いのですが、詳しい実態に関してはほとんどご存知ない方が多いと思います。
その後に関しては、ほとんどメディアでは取り上げられませんからね。
ここではビットコインの分裂とはいったい何だったのか、どんな背景があったのか、これからどうなっていくのかという最新情報についてまとめていきたいと思います。
目次
8月1日に起きたニュースとは?マイナーが反発?
2017年の8月1日にbitcoinは分裂しました。この分裂を仮想通貨の世界で「ハードフォーク」といいます。
この分裂により、ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)という2種類の通貨が誕生したのです。
ただビットコインの分裂といっても、なかなか実感が湧かないと思いますので、まずはどういった背景でビットコインの分裂が起こったのか、について見ていきたいと思います!
ビットコインの分裂問題とは?
ビットコイン誕生以来、ビットコイン価格は右肩上がりに上昇してきました。もちろん、上がったり下がったりを繰り返してはいますが、他の投資商品と比較すれば、うなぎのぼりの上昇です。
価値が上がるということはそれだけビットコインが認知され、取引される量が増えてきたことを意味しています。
しかし、取引量が多くなるにつれ、様々な問題が浮上してきました。取引量の増加によって、取引情報を処理するスピードが追い付かなくなってきたのです。
ネットワークが処理できるビットコインのデータ量は、10分ごとに一定量と決められています。これはビットコインの成長スピードを制限するためでしたが、裏を返せば処理できる情報量には限界があることを意味しています。
ビットコインが処理できる取引量を超えると、処理できないデータが渋滞を起こし、取引が認証されるのに時間がかかるようになってきたのです。
そこで、ビットコインのコア開発者やビットコインマイナー(取引データを処理していく作業をマイニングと呼び、マイニングを行う人・組織をマイナーと呼びます。)などからビットコインの処理容量を増やすためのシステム改修案がいくつか出されたのです。
では、なぜそこで分裂が発生したのでしょうか?
その分裂理由は、ビットコインのコア開発者が出した、改修案にビットコインマイナーが反対したからです。
というのも、ビットコインのコア開発者が出した案であるSegwitは、「取引サイズ自体を圧縮し、取引速度を速くする」機能の追加以外に、中国大手のマイニンググループが使用しているASICBoost(エイシックブースト)が使えなくなる仕様変更がなされていたのです。
ASICBoostとは、簡単に言うとシステムの隙間をぬった裏技を利用してマイニングを行うシステムです。
結果として、Segwitに反発したマイニンググループと、Segwitの導入を考えているビットコインコア開発者たちの対立が8月に起きたビットコイン分裂の問題なのです。
この一連の分裂騒動によって新たにビットコインキャッシュが誕生し、今では時価総額3位に位置しています。では、分裂によって誕生したビットコインキャッシュとはどのような仮想通貨なのでしょうか?
次で、ビットコインキャッシュについて一緒に見ていきましょう!
分裂回避とビットコインキャッシュ
ここでは、ビットコインキャッシュについて解説していきます!
ここまで「分裂した」という表現を使用してきたのですが、厳密にいうと、ビットコインキャッシュは「分裂した」というよりも、全く新しい通貨として生み出されたという方が正確なのです。
ビットコインの分裂で生まれたと言われているビットコインキャッシュは、従来のビットコインの延長線上にあるのではなく、全く新しい通貨として作り出されました。
乱世の中、巨大な一国が対立し二つの国に分裂したというよりは、ある日突然何もなかったところに国が勃興したイメージですね。
つまり、今回の分裂はビットコインのチェーンが分裂したのではなく、全く別の仮想通貨であるビットコインキャッシュが新しくできたというのが、このニュースに対する正しい認識です。
仮想通貨の役割を見ると、ビットコインキャッシュは、ビットコインとほとんど変わらないのですが、ビットコインキャッシュのほうが処理能力が高くなっています。
ビットコインを持っていた人はどうなったの?
では次に、分裂の時にビットコインを持っていた人はどうなったのかについて見ていきましょう!
実は、分裂時に保有していたビットコインと同量のビットコインキャッシュが付与されました。
つまり、10BTCを持っていた場合、10BCHが知らぬ間に財布に入っていたという状態です。
ですが、資産が2倍になったかというとそういうわけではありませんが、得をしたことに変わりはありません。
分裂した際のビットコインの価格はおよそ1BTC=31万5000円、ビットコインキャッシュの価格は、1BCH=3万2000円。ですので、分裂直前に、10BTC保有していた人は、10BCHをもらえるので、日本円にして約32万円儲かるということになりました。
「それだったら、分裂騒動のニュースがでたら、ビットコインを買い増した方が儲けられるじゃん?」と思われるかもしませんが、それはあくまでも結果論とも言えます。
というのも、今回は分裂後ビットコインの価格は上昇したのですが、分裂するまでは大暴落するのではないかともいわれていました。もし予想通りに暴落した場合、いくらビットコインキャッシュが付与されたとしても、損する可能性もあります。
今後、分裂のニュースが出た際は、慎重に吟味する必要があるでしょう。
実は現在、本当のビットコインの分裂は11月に予定されているSegWit2xによって、起こると言われています。
では、その11月に予定されている分裂とはどんな分裂のことを言うのかについて、詳細を解説していきます!
11月に予定されている中国主導の新提案とは?
11月のハードフォークは元々8月に行われていた分裂騒動の続きのようなもので、実際にハードフォークをするための準備も進められています。
最近の動向でいいますとニューヨークで開催されたConsensus2017で、11月にブロックの容量を2倍に引き上げるためのSegwit2xを支持する「ニューヨーク協定(NYA)」の合意がされました。
しかしこれもまた、8月の時と同じようにビットコインコア開発者は反対しており、もしかしたらビットコインは2回目の分裂を迎えるかもしれません。
8月の分裂はマイニンググループに不利益となる機能が追加されることが対立の原因だったのですが、今回のSegwit2xはマイニンググループ側が積極的に提案している改修案です。
このニュースを考えてみると、ビットコインへの影響力を高めようとするマイナーと、ビットコインの独立性を保とうとするビットコインコア開発者の争いのようにも見えますね。
実際、ビットコインウォレットを提供するBitPayなど有名企業がSegWit2xを支持していたりと、権力争いが11月が近づくにつれて加熱してきています。
ただ、8月にSegwitの導入によって、ビットコインの機能が豊富になり、問題が解決したので、あまりSegwit2xにはメリットがないと言われています。そのかわり、デメリットが多いので、もしかしたら11月にSegwit2xは、起こらない可能性もありますね。
では、11月のSegwit2xの後はどうなるのでしょうか?
その後の価格変動やその他の影響についてまとめて見ていきましょう!
Segwit2x前後の価格変動やその後の影響は?
11月の分裂ニュースを踏まえて、ビットコインの今後の見通しについて考えたいと思います。
筆者の勝手な考察ではありますが、分裂前後で不安定な相場が続くものの、今後のインフラ整備状況次第で安定的な価格上昇をするのではないでしょうか。
ビットコインの最大の特徴として、中央管理者が存在せず特定の権力の影響を受けにくい点があげられますが、現状はそうなっていません。
現在ビットコインのマイニングの大半を中国のマイニンググループが担っていますので、中国政府の仮想通貨への対応一つで、大きな騒動が起こってしまいます。
中国政府が規制を始めたら下落し、緩和したら暴騰するという値動きの激しいサイクルを繰り返してきました。
しかし悪いニュースがあった中でも上昇を続けてきた背景には、やはりビットコインへの期待感があったと考えられます。ですので、今後「通貨」として広く使えるような仕組みが整備されれば、安定した上昇をするのではないかと思っています。
実際に日本国内だけでも、既にビックカメラでbitflyerを通してビットコイン支払いができたり、今後大手旅行会社のHISへの支払いにビットコインが使用できるようになるなど、ビットコインのインフラは整ってきています。
ですから、ビットコイン価値は、短期的には投機的な売買に右往左往する可能性が高いと考えられますが、長期的にみれば価格が上昇するでしょう。
今後は11月のSegwit2xだけでなく、イーサリアムのハードフォークなども予定されており、仮想通貨のニュースにはまだ目が離せませんね。