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プエルトリコが新たな仮想通貨のハブ国家に?国民からは反対の声も
- 2018/8/1
- 仮想通貨の最新ニュース
アメリカ自治領であるプエルトリコがマルタ島に続くような仮想通貨のハブになるかもしれない。
プエルトリコを革新的技術のハブへ
分散型プラットフォームEOS(イーオス)を展開するBlock.one(ブロック・ワン)社の元最高経営戦略責任者Brock Pierce (ブロック・ピアース)氏によると、プエルトリコは「革新的技術のハブ」になれるポテンシャルを秘めているそうだ。
アメリカ自治領であるプエルトリコは2017年に財政破綻をしており「米国のギリシャ」とも呼ばれているほどの財政危機に陥っている。
また、昨年4000人が命を落としたハリケーン「Maria(マリア)」の被害を受けており、この復興支援のために使われた数十億円がさらにプエルトリコ財政を悪化させた。
さらに米国議会は、プエルトリコ政府に対し9700億ドル(約11兆円)の借金返済を開始するための緊縮財政措置を実施するよう命じており、地方政府はプエルトリコの大学授業料を3倍にする一方で大学の予算を2億6900万ドル(約300億円)削減。
ヘルスケア、年金、公的部門の賃金も島全体で削減されている。
このような財政が逼迫しているプエルトリコだが、Pierce氏はブロックチェーン技術によってプエルトリコ人が、政府や金融機関を頼らずに個人財政的な安定を得られるようになるのではないかと考えている。
Pierce氏は、
「ブロックチェーン技術は世界的な金融システムを民主化できるポテンシャルを秘めている」
「手数料や銀行手数料を支払うことなく、資金を移動させたり商品を購入するために仮想通貨を使用することができる。」
などプエルトリコでのブロックチェーン技術の利便性について主張した。
しかし、地元社会活動家からは、プエルトリコへのブロックチェーンプロジェクトの移転に疑問を呈する声が上がっている。
アメリカ合衆国本土からプエルトリコへ移転するビジネスには、4%しか法人税課せられず、受動的所得に対する課税はない。
そのため、「プエルトリコ人を助ける」という名目でプエルトリコに移るプロジェクトは、本来の目的はコスト削減なのではないかと疑われている。
原典:「Bitcoin Pioneer Brock Pierce Looks to Puerto Rico to Create Crypto Paradise」
「Is There A Revolution Brewing In Puerto Rico? | Foreign Correspondent」
ここまでの内容と考察
不安定な財政が続いているプエルトリコ。
ブロックチェーン技術が金融危機を救えると意気込むプロジェクトがプエルトリコに移転していますが、アメリカとの複雑な歴史的背景を持つプエルトリコ人からはそれに対する疑問の声が上がっています。
今後発展途上国でブロックチェーン技術が普及していくためには、どのようにテクノロジーについての議論を進めていくかを真剣に考える必要があるでしょう。