MtGoxのビットコイン消失事件の疑いでBTC-Eの代表を逮捕

MtGoxのビットコイン消失事件

日本で初めてのビットコイン取引所「MTGOX(マウントゴッグス)」の元社長マーク・カーペレスは、先週ビットコイン横領の疑いで東京地方裁判所に出廷しました。

元々カーペレス氏には、2013年9月から12月の3か月で顧客の3億4,000万円を横領した疑いがかけられており、カーペレス氏は日本語で「私は神に誓う。私は有罪ではない。」と述べていました。

ビットコインコミュニティは彼の発言によって混乱していましたが、予期せぬ出来事によってマウントゴッグス横領事件の真相が明らかになりそうになりました。

それはビットコイン取引所「BTC-E」の管理人アレクサンダー・ヴィニク氏が40億円のマネーロンダリングで逮捕されたという出来事です。

報告書によれば、ヴィニク氏はマウントゴッグスで盗まれたとされる750,000BTC(現在の価値でいうと約20億円分)を所有していたと言います。

ギリシャ当局から送られてきた報告書によれば、マウントゴックスから消えた306.853BTCはその後BTC-Eのウォレットに入っていたと言います。

ヴィニク氏とマウントゴックスの関連性

ヴィニク氏逮捕のニュースが巷に流れた瞬間から、Twitter上のビットコインユーザーたちはマウントゴックス横領事件の犯人逮捕の事実を拡散させていました。また、マウントゴックス元社長マーク・カーペレス氏自身のTwitterでも「ヴィニク氏が犯人だった。」と述べており、以下のようなツイートをしています。

ビットコインセキュリティの専門家集団「WizSec」はマウントゴックス横領事件について1年以上調査を続けており、真犯人が分かるや否や以下のようなツイートをしてビットコインコミュニティをざわつかせました。

そしてこのツイートの後すぐさま、

「我々はヴィニク氏がマウントゴックス横領事件に絡んでいるという見解である。」

と述べました。

事件の詳細は2011年9月、マウントゴッグスのウォレットのプライベートキーが盗まれ、ハッカーたちはいとも簡単に大量のビットコインにアクセスできるようになったと言います。さらにハッカーたちはその盗んだビットコインをヴィニク氏が管理するアドレスにそれらのビットコインを送ったそうです。

ヴィニク氏のウォレットに流れてきたビットコインのうち約3億円がBTC-Eに流れていきました。WizSecによると、これが判明したのは3億円分のビットコインが顧客のアカウント経由ではなく、BTC-Eの内部ウォレットに直接流れていったことで判明し、結果的にヴィニク氏とBTC-Eは繋がっているという見解に至ったと言います。

さらにWizSecは、

「ヴィニク氏が流していたビットコインはマウントゴッグスで盗まれたビットコインだけではなかった。他にも2011年から2012年の間に事件となった「Bitcoinica(ビットコニカ)」や「Bitfloor(ビットフロアー)」といったいくつかの取引所から盗まれたビットコインも全て同じウォレットに流れていたんだ。」

と発表しています。これはオンライン上でのパーソナリティを確定する「VME」が取引所のアカウントとリンクしていたことで発覚したらしく、ヴィニク氏自身もVMEの仕組みについて熟知していたようです。

「もし仮にヴィニク氏が盗んでいなくても、マネーロンダリングを行っていた証拠は掴みました。」

WizSecはヴィニク氏がマウントゴッグスからビットコインを盗むことに関わっていたのは確かだと発表し、今後ヴィニク氏がマウントゴッグス事件の真相を解く鍵になるだろうと述べています。

原典:「Suspect of Mt Gox Hack and Money Laundering Is Alleged BTC-E Admin Arrested in Greece

ここまでの内容と考察

今回はニュースでも流れていた日本で最初のビットコイン取引所「MtGox(マウントゴッグス)」で起きたビットコイン消失事件についてのニュースでした。

かなりの急展開をしたこの事件は今までずっとマウントゴッグス元社長マーク・カーペレス氏による横領だと思われていました。(一部では社長ではなく、他の社員ではないか?という声もありましたが)

いずれにせよ、マウントゴッグス内部の問題であるという見解で落ち着いていました。しかし実際は外部のハッキング。

まだ真相はわかりませんが、カーペレス氏が証言したように、外部からのハッキングであればまた話は違ってきますね。

そもそもマウントゴッグスは顧客のビットコインをオンライン上のウォレットでしか管理しておらず、安全性に不安がありました。

coincheckやbitFlyerといった現在ある国内取引所では、このマウントゴッグスの事件を受けて顧客のビットコインを管理する際はコールドウォレット(ネットに接続しないタイプのウォレット)で行い、セキュリティを高めています。

ウォレットの基本情報やコールドウォレットをはじめとした種類についての記事はこちら

この事件に関してはかなり長いこと議論されていますので、一刻も早く真相が明らかになってもらいたいものですね。

今後の調査でまた新たなことがわかってくるかもしれませんので、随時更新していこうと思います。