詐欺取引が2万件?1017ものビットコインがイスラエルで資金洗浄か

1000ビットコインがイスラエルで資金洗浄か

イスラエルの検察当局は、800人以上のクレジットカードを使って2万件もの詐欺取引を行い、ビットコインで資金洗浄をした疑いでHilmi Git(ヒルミ・ギット)氏を起訴したと発表した。

地方裁判所に提出された起訴状によると、10年間で800万ドル(約8億8千万円)以上のマネーロンダリングを行ったとされおり、警察によると少なくとも1017ビットコインを押収したとしている。

Git氏は、幅広い犯罪者ネットワークを通じて、クレジットカード詐欺やマネーロンダリングなどのノウハウを培っていたとされる。

深刻なのは、Git氏が盗んだクレジットカードデータを無料で自らの会員に提供していたこと。また、ハッキングの方法などを教える指南書を公開していたともされている。

その指南書には、

「我々は泥棒である。イスラエルでもアメリカでも、あるいは月であっても、我々はお金を奪うことができるのだ。」

と記載されていた。

当局は、

「彼は10年間で確立した犯罪体系を引き続き実行し、無実の犠牲者に対して不正行為を行うことに躊躇しない。」

とコメントし、Git氏が犯罪に再び手を染めないよう拘束し続けるとしている。

イスラエルでは初めて警察によってビットコインが押収されたことで、これが仮想通貨の資産を没収する法的な判例になるかもしれない。

他の国々でも同様の事案は起こっており、アメリカでは闇サイトの麻薬ディーラーから512ビットコインと512BCHを政府が押収したとしている。また、フィンランドでも2000ビットコインが麻薬業者から押収されている。

原典:「1000 Bitcoins Seized in Landmark Israeli Money Laundering Case

ここまでの内容と考察

イスラエルでの詐欺事件で、ビットコインがマネーロンダリングとして使われていたという今回のニュース。

仮想通貨はマネーロンダリングの方法に活用されるのではないかと以前はから指摘されていましたが、今回のニュースはそれが実際起きていると改めて認識させられる出来事といえるでしょう。

仮想通貨がマネーロンダリングに使われるリスクは、銀行やカジノよりも低いという議論もありますが、いずれにせよ対策を考えていく必要がありそうです。

関係機関によるマネーロンダリング対策への取り組みなどにも注目していきましょう。