SegWit2xを主導するガルジック氏が、ICO「Metronome」を発表

SegWit2xの開発者Jeff GarzikがICO「Metronome」を発表

ブロックチェーン関連会社Bloqは、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)によって新たな仮想通貨「metronome」を発行することを発表した。

Bloqは本日、ラスベガスで開催されているフィンテックに関する会議「ラスベガス2020カンファレンス」でMetronomeを発表するつもりである。このプロジェクトは、11月中旬に予定されているSegWit2xハードフォークの開発を主導している開発者であるBloqのCEO、ジェフガルジック氏によって進められている。

metronomeの特徴の一つは、新たに通貨を生成する作業であるマイニングがオークション形式で行われることである。

ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨は、取引に伴うデータ計算を行った量に応じた報酬として、新たな通貨が与えられる仕組みになっている。metronomeでは、マイニングが行われず、新たに生成される通貨は自動オークションシステムで売却されることになる。

これによって、マイニングを行うマイナーと呼ばれるグループが大きな権力を握ることがなくなり、安定した仮想通貨の運営が可能になる。

また、metronomeのもう一つの特徴として「クロスブロックチェーン」と呼ばれるシステムが導入されていることが挙げられる。クロスブロックチェーンとは、他の仮想通貨のブロックチェーンと関連付けられるシステムである。

metronomeのオークションシステムは、ビットコインやイーサリアムを通して売買するために、ビットコインやイーサリアムとmetronomeのブロックチェーンが重なり合うことになる。

既存の仮想通貨を通して売買することで自動売買が可能になるのだが、一方でビットコインやイーサリアムがハッキングを受け、システムが脆弱になった場合、metronomeも脆弱になってしまうというデメリットがある。

Bloqの共同設立者であるロスザック氏は「metronomeは、ビットコインなどのようなハードフォークが起こる可能性が低く、混乱が起こらない。長期的な発展が期待できる。機関投資家が仮想通貨市場に参入するきっかけとなるだろう。」と述べている。

またガルジック氏は「ビットコインはマイナーが行っているハードフォークによって混乱が発生している。metronomeであれば、マイナーの脅威を避けることができ、ビットコインに取って代わることができる。」と発言。

ただ、metronomeはガルジック氏自身が主導するSegWit2xハードフォークと相反するコンセプトを持っている。SegWit2xの予定日が約1ヶ月後に迫った今、ガルジック氏がmetronomeの発表を行った理由は定かではない。

公式発表によると、metronomeトークン(MTN)は、12月プレセールが開始する。MTNのプレセールでは1,000万トークン発行され、そのうち800万トークンがICOを通じて配布される。

残りの200万MTNは、Bloqが保持する。その後、MTNはmetronomeシステム上のオークションを通じて年間2%ずつ継続的に発行される。ICOによってビットコインやイーサリアム建てで得た利益は、metronomeの流動性高めるためにmetronomeのシステム上に保存される。

MTNトークンは12月からイーサリアムのみで購入可能であるが、随時イーサリアムクラシック、ビットコイン、Qtumでの取引が可能になる予定である。