仮想通貨取引所Kraken、ブッシュ政権の連邦検察官が顧問弁護士へ

仮想通貨取引所クラーケン、ブッシュ政権の連邦検察官が顧問弁護士へ

サンフランシスコに拠点を置く仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)は、George Bush(ジョージ・ブッシュ)政権時代に連邦検察官を務めていたMary Beth Buchanan(メアリー・ベス・ブキャナン)氏を顧問弁護士として迎えると発表した。

彼女は、ペンシルベニア州西部地区で、史上最年少かつ女性として初めての弁護士になった経歴を持つ。

世界で8番目の規模を誇り、1日で3億5,000万ドル(約380億円)もの取引量があるクラーケンは、最近ニューヨーク司法長官の情報開示要請に対して協力を拒んでいた。

そんなクラーケンのCEOであるJesse Powell(ジェス・パウエル)氏は、

「ニューヨーク司法長官の調査に対して本当は思っていることを誰かが言わなければならない。これは侮辱なのだ。」

とコメントしている。

ニューヨーク州は、クラーケンのように州で活動していない13の取引所に対して透明性を高めるために情報開示を求めていた。

以前までニューヨーク司法長官だったEric Schneiderman(エリック・シュナイダーマン)氏は女性への暴行疑惑が取りざたされ、辞任に追い込まれたが、後任によって調査は引き続き行われるという。

それでも規制当局は仮想通貨への脅威を払拭できておらず、多くの企業でも証券やマネーロンダリングなどの専門家と連携をとる動きが出始めている。

さらに法務省は、仮想通貨取引での市場操作に関する犯罪捜査を開始したいとの旨を発表しており、自ら売買注文を繰り返し行って人為的に取引量を膨らませる「ウォッシュ取引」などを対象として捜査したいとしている。

このように、規制当局からの監視の目が強まっているのにも関わらず、クラーケンはSEC(証券取引委員会)に対してATS(代替取引システム)として登録することにおそらく追求すると述べるにとどめていた。

原典:「Crypto Exchange Kraken Hires Bush Administration Prosecutor as General Counsel

ここまでの内容と考察

アメリカの仮想通貨取引所クラーケンが、顧問弁護士として元連邦検察官を迎えるという今回のニュース。

クラーケンはニューヨーク司法長官の情報開示請求を拒むなど、あくまで規制当局に抗う姿勢をみせていました。

元連邦検察官を顧問弁護士として迎えることで、ある種の牽制を規制当局にしたいという思惑があるのかもしれません。

クラーケンの今後の動きに注視していきましょう。